卒業製作創ったら、めんどくさいことになりまして
@kaleisp
第1話
「さて、皆聞いてくれ。僕は今とてもいい考えが思いついているんだ。だから、君たちにはそれを聞く必要がある。ぜひとも聞いてくれ。」
「はいはい、わかったからその口調止めない?聞いててイライラする。」
「む、仕方ないな。そこまで言われちゃ直すしかないな。で、どの口調がお好みだい?まだあと数種類持っているけれども。」
「あーもーうざい。うざ過ぎる。どんな口調でもいいから話の続きを言いなさい。」
「君が言ったんじゃないかー。もう、仕方ないなー。」
「さっさと喋れよ。なんなんだよいったい。」
「うーんとね、僕たちはもうすぐしたら卒業するじゃない?だからさ、思い出として僕たち6人で出来ることがしたいんだ。」
「具体的には?」
「えっとね、何か思い出になるものでも作れたらなーって思ってるんだけど。」
「まぁ、お前にしたら全うな意見だな。で、何を作るんだ?」
「それを君たちと相談したくて、この話を持ちかけたんだよ。今からじゃんじゃん意見を言ってくれ。」
こうして、俺たち6人の6人だけの卒業製作が始まった。
さてさて、ここで俺たち6人のことを少しだけ知っておいて欲しいと思う。
まずはこの俺、倭 寿希也。
頭脳明晰、容姿端麗、才色兼備のこの俺だが、一つ弱点がある。それは、自他共に認めるほどのゲスでクズなやつだ。まぁ、性格なんて、表面上だけ取り繕えばいいし、まぁ、俺に不覚はない。故に俺はパーフェクトな人間だと言えるだろう。ふふふ、あぁ、今日も俺はかっこいい。
「ちょっと、寿希也。何また自分の世界に悦に入ってるの。気持ち悪い。これだからナルシストは嫌なのよ。」
こんなこと言う、このツンデレ娘は、アイリーン・グレンジャー。口は悪いが、周りをよく見て行動出来るいい子だ。言動がツンデレで見ていて楽しい。あと、めっちゃくちゃいじりがいがある。うん、とりあえず、面白
いやつだ。
「まあまあ、そんなこと言ってー。アイリーンだって、寿希也の見た目だけ良いのは知ってるじゃないのー。まぁ、ナルシはうざいけどー。」
と、言っているのは、ちょっとどころかだいぶ変わっているプログラマーのグリッタ・エリンクルだ。こいつは、高校生のくせに、プログラマーとしても仕事をしたりしている、だいぶ変なやつだ。たまに、変なことをブツブツ言っているし…なんか背筋が寒くなる。まあ、悪いやつじゃないんだけどな。
「そうやって皆がこいつを甘やかすから、寿希也がダメになっていくんだ。もう少し、こいつに厳しくしないと。」
と、俺にいちいち突っかかってくるのがセシッタ・グリンゼル。
初め、名前を聞いたとき女子か。と思ったが、どっからどう見ても厳つい男だ。
とりあえず、こいつは天然だ。養殖ではない。純粋な天然だ。
頭も悪いわけではないし、なんだかんだ言って、こいつが俺を一番甘やかしている気がする。
とりあえず、世話焼きだ。
「とか言って、一番寿希也を甘やかしているのお前だろ。今日だって、寿希也が寝てるの起こそうとしなかったのお前だけじゃん。」
と、だいぶ口が悪いのは、クーリア・エドワード。
見た目はだいぶ癒し系なんだけどな…いかんせん、腹は黒いし、口は悪い。俺より性格悪いんじゃないかと思う時もある。
まぁ、こいつも悪いやつじゃない。
「もう君たち、僕の話聞いてた?なんで寿希也ばかり構うのさー。」
と、うざいのが、ナターシャ・エリンサ。
こいつも名前は女子かと思ったが、どう見ても好青年だ。
ただうざい。とにかくうざい。
口調がコロコロ変わりやがるし、人の話は聞かない。頭はいいけど、行動が馬鹿なかわいそうなやつだ。
こいつも悪いやつじゃない。むしろ、ノリがいい分、俺と話は合う。
ただ、行動が残念なやつだ。
とまあ、俺たちの紹介はここまでにして、俺たちがなぜ、放課後に集まっているのかを話
そうか。
何故ならば、理由は簡単。俺たち全員がゲーマーだったと言うだけのことだ。
ある日俺たちは、ゲームの中のパーティで、オフ会をすることになった。そしたらなんと、全員が同じ学校に通う生徒だったんだ。
とまあ、こんな奇跡みたいな集まり方で出会った俺たちは、話も合うし、全員面白いやつだし、とりあえず、放課後に集まってゲームでもしながら、ダラダラ集まって喋ろうぜ。と言うことになった。
「さて、寿希也の話じゃなくて、僕の話に乗っかってよ。さぁ、意見は無いかい?」
「しゃーねーなー。作るって言っても、どんな感じのがいいんだよ。」
「そうよね。それが決まらないと、何も始まらないじゃない。誰か何か言いなさいよ。」
「もー。アイリーン、うるさいー。もう、ゲーム作ればいいんじゃない?私手伝えるのそれくらいだよー。」
「ゲームなんて、高校生の俺たちが作れると思っているのか?だいたい、グリッタだって、一から作ったこと無いだろ?」
「えー。だってー、面白そうじゃん。それに私たちが集まりだしたのだって、ゲームがきっかけだしー。もう、それでいいじゃない?ねー、寿希也ー。」
「うん、いいじゃないか?俺は賛成だ。皆で一からゲームを作ってみたかったんだ。いいだろ?セシッタ。」
「別にいいが、俺たちだけでできるのだろうか?」
「できるんじゃない?私たちでやれば。グリッタもいるし。私たちもパソコン使えないわけじゃないし。それに、ここは電脳都市よ。それを生かさない手はないわ。」
「いいじゃないか、ゲーム。僕もやりたくなってきたよ。クーリアだって文句ないでしょ?」
「ああ、いいぜ。俺は面白そうなことであればなんだっていい。」
「じゃー、決まりだねー。セシッタも納得した?」
「はぁ、皆がそう言うのだったら、それでいいんじゃないか?どうせ決定事項なんだろ?」
「やったー。セシッタ、ありがとう。俺は嬉しいよ。頭の固いお前がこんな無謀なことに納得してくれるなんて、さすが俺の心の友だ。」
「何を恥ずかしいことを言っているんだ。別にお前のためではない。皆のためだ。」
「そんなこと言ってー。照れちゃって。かわいーんだから。」
「ふぁ。やっぱり、この二人はデキてる!?何この美味しい展開。あの二人の周りだけ花が飛んでるよ!」
「はいはい、グリッタ、落ち着きなさい。口調がいつもとは違うわよ。」
「口調なんてどうでもいい。あの二人は絶対にデキてる!これは腐女子の勘よ。アイリーン、黙ってて、もう少し、あの二人を見せて。」
「止めなさい。あの二人が仲いいのは、いつものことじゃない。それに、二人は友人でしょ?そんな目で見てあげたらかわいそうでしょ。」
「アイリーンはわかってないなー。今からでも、沼に嵌めてあげようか?」
「嫌よ。止めなさい。私まで、あなたと一緒にするんじゃないの。私は、普通よ。」
「えー。面白いのになー。アイリーンも沼に嵌ればいいのにー。」
「おいおい、グリッタ、面白そうな話じゃねーか。俺にも教えてくれよ。」
「いいよー。クーリアはいい子だねー。素直が一番だよー。」
「よしてくれよ、俺は君の子供じゃないんだ。」
「あははー。ごめんねー。」
「さて、無駄話はそれくらいにして、さっさとどんな内容で作るのか、決めようじゃないか。」
「そうね。ナターシャがまともだなんて、明日は大雨かしら?」
「アイリーン、ひどくないかい?僕はいつだってまともだよ。」
「はいはい、じゃあ、意見のある人、いたら意見を言いなさい。」
「えー。もう、適当にRPGでいいんじゃないのー?それなら一から作れる自身があるよー。」
「なんだい、もうこれで決まりかい?僕はどんなのでもいいけど、グリッタがそう言うんじゃあ、仕方が無いよね?あぁ、もっと議論みたいなのをしてみたかったのになー。もう、つまんないのー。」
「早く決まった方がいいじゃねぇか。馬鹿かお前は。あぁ、馬鹿だったな。」
「もー。クーリア、ひどいよー。僕は、頭脳明晰、容姿端麗、おまけに性格まで優れている完璧なやつじゃないかー。」
「うわぁ、寿希也のが感染ってる。ナルシストが二人だなんて、気持ち悪い。とっとと、普通のキャラに戻りやがれ。」
「ちょっと待て、クーリア、ひどくないか?俺はこいつみたいに行動が残念なやつじゃないぞ。それに、俺がいつも言っているのは事実だ。俺がパーフェクトなのは、見てわかるだろ?」
「どこが、パーフェクトなやつだよ。この性格クソ男。お前も行動が残念なやつだよ。」
「ひどいなぁ。クーリア、俺に対してひどくない?」
「いや、クーリアの口が悪いのは誰に対してもだろ。別にお前だからと言って、ひどいわけではないと思うが?」
「えー。もう、そこはそうだな、でいいじゃないかー。」
「いや、だって事実だし。」
「もう、ノリが悪いなぁ。アイリーンも何か言ってやってくれよ。」
「ふん。あんたの性格がクソなんてこと、わかり切ってるじゃない。それに、セシッタの言ってることも合ってるから私から何も言うことなんてないわよ。」
「俺の味方はいないのか。俺はショックだよ。」
「あははー。寿希也どんまーい。まぁ、私も特に言うことないけどねー。」
「うう、ひどい。俺はただ事実を述べているだけなのに。」
「うわぁ、寿希也がめんどくさくなった。セシッタ、あんたなんとかしなさいよ。」
「なんとかって、なんだ。俺はこいつの保護者じゃないんだぞ。」
「またまたー、そんなこと言ってー。どうせ、寿希也を慰めるのセシッタの仕事じゃん。早くあのジメジメしたのなんとかしてよー。」
「むう、仕方ないな。寿希也、ほら、機嫌を直せ。俺のノリが悪いのはお前もわかっていることだろう。ほら、悪かったから、機嫌を直せ。」
「そこまで言うなら仕方ないな。今日は機嫌を直してやるよ。ありがたく感謝しろよ。」
「なんで私たちがあんたに感謝しないといけないのよ。」
「ねぇ、君たち、いいかげんにしようよ。僕の話何回折れば気が済むの?僕ずっと言ってるよね?どんな内容のゲームを作るのか意見出してって。なのに、君たちは、寿希也と遊んでばかりだよね?ねぇ、どういうこと?」
「えーっと、あの、その、ごめんね。別にナターシャの話を聞いていなかったとかそういうのじゃないのよ。」
「でも、実際に寿希也と遊んでたよね?いいかげんに話題を戻そうよ。」
「そうね。ほら、寿希也、謝りなさい。あんたが引っかき回すからこんなことになるんじゃない。」
「えっ、俺だけ?ナターシャだって遊んでたじゃん。」
「ほら、こういう時のナターシャは話を聞かないから、あんたが謝るしかないのよ。お願い。」
「まぁ、仕方ないか。ナターシャ、話折ってごめんな。別に、話し合いがしたくないとかそういうんじゃないんだ。ちょっと、遊び過ぎたかなごめん。」
「わかってくれたらいいんだよ。まぁ、寿希也が面白いのはわかっているけどね。ちょっとやりすぎだよね。」
「ごめんて、これからは意見出すから許してくれよ。」
「それならいいよ。さて、皆じゃんじゃんじゃん意見を出してくれ。ほら、クーリア、君が今一番喋ってないよ。 ほら、意見を言った言った。」
「ちっ、なんで俺に振るんだよ。めんどくさい。適当に王道RPGでいいだろ。グリッタだって言ってたし。」
「適当はひどくないかい?もうちょっと考えたように喋ってよ。」
「だって、どうせ俺たちなんだから、王道RPGでいいじゃねぇか。なぁ、そうだろ?」
「いいんじゃない?別に私は反対しないわよ。」
「私もー。」
「俺もいいぞ。別にそれ以外のゲームが俺たちに作れるとは思えないしな。」
「そうだな。それでいいんじゃないか?ナターシャだって反対しないだろ?」
「そうなんだけど、なんか、僕の思ってたのと違う。もっと、こう、わきゃわきゃ話し合ったり、たまには衝突しあったりする、青春漫画みたいなのをしてみたかっただけなんだよ。」
「はっ、俺たちには無理だろ。」
「もう、ちょっとぐらい夢見たっていいじゃない。まぁ、いいよ期待した僕が馬鹿だったよ。まぁ、何はともあれ作ろうか。」
とまあ、こんな感じで、俺たちの卒業製作は始動し始めた。
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