脚の違和感はなんとやら

どう考えても、この滅殺剣は闇だよね。


「火属性が闇属性に勝てるとでも…?」


どんだけあの悪女ペルセポネに信頼寄せてるんだよ。


「すまんな…火属性は強いと相場が決まってる。先制はもらう!」

「壁蹴りなどと…」


加護フォーゼによる能力上昇のお陰でかなりのスピードを出せる。


「……」

「必ず貫通させてやるぅぅ!!」


無言で精神統一しているのか知らないが、男の背後から急接近して斬り上げを放つ!


炎の柱マグマアッパー!」

「…ぐぉっ……」


斬り上げると、火の柱が発生し、途端に男は3メートルくらい上に吹き飛んだ。


「空中は無防備! 喰らえ! マグマバーストォォ!!」


丁度肩の高さまで男が落下した時、パンチするようなモーションをしながら唱えた!


物凄い炎の爆発が手から発生すると、反動であたし少し後退する…! 男はかなりのスピードで吹き飛び、壁に衝突した。


「なんて力だ…! はぁ…鎧が剥げちまうなんてな」


本当だ、めっちゃ剥げてる。


「これで止めだぁ! うぉぉおお!!」


壁で崩れている男へ走り込みながら突きを放つ!


「空土ぃ!」


しかし、カーン! という音の後、剣は先を進む事を許されなかった。


「危ない、確実に死んでたところだった」

「呼び寄せれるのかよ…」


「身軽になったからなぁ…俺のターンだ」

「消えた!?」


よーく目を凝らしても、さっき居た所に男は居なかった。

あれ、おかしいな…。



…! 背後からとてつもない斬撃が走る。


「え、速くね…」


次から次へと、振り下ろされる剣、

ほぼ直感で受け止めるしかなかった。


「空土の力! 見せてやる、『土の海アースドラウン!』」

炎の守りマグマゲージ!」


男が唱えた刹那、床に剣を突き刺し…


大きく引き抜いた! この直後、大量の土砂が発生する!


「土に…飲まれていく…!!」


男は余裕の表情で浮きながら見ている…!



反応速度? ニュータイプ? 土?


「そうか! 風の加護シルフフォーゼ!」


土砂に埋もれながら唱えると、鎧は消えて、緑の残像が発生する! そして、土砂が吹き飛ぶ!


「見える! 止まって見える!」


男は焦りながら斬撃を出してくるが、

次は何処から斬撃が来るのか

どこへ移動しているのか。

全てが…!


次の着地点はここ! ならば…


風の罠シルフトラップ!」


魔力で、範囲内に入ると動きが鈍るトラップを仕掛けておいた!


「なに…動きが……重いぃ!」

「かかったぁぁ!!」


やられているばかりじゃない。

こんなに遅いならデスコンボ決めれるぞ…?


風の突きウィンドカリバー!」


魔力により、レイピアになった剣を高速で男に突き刺す!


「なんて、速さだ…!!!」


ここで、初めて男が血を流す!


途端にケリをかまして、剣を抜くと共に壁まで吹き飛ばす。


「本当に止めだぁぁ!! 『木星の砲撃ジュピターキャノン』!」


大きく振りかぶってレイピアをぶん投げる!

速さも異常、デカさも異常、名前も異常の三拍子だ!


「空土ブラスター!!」


レイピアは迷うこと無く男に向かっていく。


「全く、ポニテが解けちゃった…バンドないかな」


カラドはあたしを狙っている…とでも?


「わりぃ、それ残像」

「そんな…そんなぁぁ!!!


バカなぁぁぁぁ!!!」


「脚に違和感があった時点で負けるフラグなんだよバカタレが」


奴の脚には元々爆弾が付いていた。

多分、誰かが見ていて、押す予定だったんだろうな。


ーーまぁ、レイピアが木星の力で爆発しちゃったから、

爆弾とか意味無いけど。


というか、剣ない。レイピアになって爆散して消えたわ。

ほぼ素手…。


まぁ仕方ないので、リラの部屋に向かう事にした。

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核とファンタジーの陰謀 モトチカ @MOTOTIKA

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