滅殺剣 カラドマバク
かれこれかなりの距離を走った。
あの鏡みたいな部屋から臭い部屋、和室の様な罠だらけの部屋…面倒だった。
「ここから先は行かせぬ…! ここを死守しなければ…リラ嬢が…リラ嬢が!!」
ーーで、今リラの部屋の前の部屋に仁王立ちしている騎士がいる。
「ふーん…リラね…」
「脚に違和感が…!? まさか!」
いや、何もしてないんだけど? 脚に違和感って…。
「しっ仕掛けておいた!」
「なんだと!? おのれぇぇ!! 小癪な真似を…」
割と真面目に受けてる。馬鹿なんじゃね?
「うるさいわ! 喰らえ! 魔貫〇殺砲!」
「うわ…やめろ! それ以上は…」
「……発射!!!」
手を伸ばすと超極太ビームが指から発射される。
「うぉぉおお!?」
「いけ…!」
流石にこれ以上は別の問題が発生してしまう。
「はぁ…どうだ…?」
「フフッ」
「無傷…!?」
驚く事に傷一つ負っていない。
「魔法や間接攻撃は効かん。攻撃を通すなら…物理で叩く事だ!」
「はっはぁ…」
だるい敵だ。めっちゃダルイ。
「守りだけとは思わせないぞぉ…?」
「は? 完全ガーディアンなのにどんな火力なんだよ」
「そこまで境地になれば見せてやる」
「ーーまぁいいや、『
超秘密なんだけど、死の準備は守りを全て物理に捧げる。
一撃でも食らったら…ひとたまりもない。
「ほう…本気みたいだな…体から放っているオーラはペルセポネか、そんなオーラ断ち切ってくれるわ!」
死ねないから良いだろ。
鎧を着ているなら鈍足のはずだ。
先制を攻撃を仕掛けるためにジャンプし、壁を蹴って高速移動する。もちろん、錯乱する為だ。
「速いな…鎧だからといって遅いわけじゃない!」
「よそ見は危険だぞ?」
男の視線が泳いだ刹那、男に斬撃を浴びせる為に急接近して剣を振り下ろす!
「おっと…」
「そんな…素手で防いだ……だと?」
「甘いぞ」
咄嗟に剣を持っていない左手を精一杯男に近づけて唱える!
「これなら! ハンドバースト!」
手から高威力の爆発が発生した!
「今のは効いたな…とても効いた」
「それでも立っていられるだと…」
一旦身を引けと体が命令している。
「逃がしはしない」
「速過ぎる!」
男が地面を蹴って一瞬消えた瞬間、突如目の前に現れた。
もう察してしまった。
「叩き潰されろ!」
強靭な拳から振り下ろされて放たれる一撃は重すぎた。
とあるサイヤ人の様に壁何枚も壊すような勢いであたしは吹き飛ぶ。
入口の壁に激突して落ちてしまった。
「やばい…死の準備が……」
「これで終わりだな!」
「タイタントラン…」
唱えるよりも、男の拳が速かった。
意識がまるでない。
いや、もう|現世《あそこ】には居ないな。
「また来たんですか…」
「早く頼むわ」
「輪廻…はっ!」
ペルセポネの声の後ナイフで刺された。
「えっ何してくれてんの……ゴフ…」
「まぁそのまんま死んじゃえ!」
「次きた時許さねぇ!」
意識が闇に染まった。
「ここは…」
よーく見たら、男が罠に怯えている
「とりあえず、お前を…殺し返してやる!」
「殺し返す…? なんなんだ?」
知らないっぽいけどいいや。
「
「馬鹿な…それは…上位形態!」
「ふぅ…ふぅ…取り掛かるぞ」
「
「貫通してみせる!『
剣を持ち上げて、唱えると火の鎧があたしを覆っていく。
「これは…まずいぞ! 守ってる場合じゃねぇ!
「あっやば!!」
男は背を低くして、獰猛な牛の如くスピードで走ってくる!
「邪魔…するなぁ!!」
避けるにも避けれない。仕方ないので野球のフォームの様に構えて、フルスイング!
「グハァ!! 水に火属性が
男は構えている事にすら気づいてなかった。
「よし、間に合った、フォーゼ完了…!!」
今はまさに、
火の鎧、火に染まった髪、獄炎の絶剣。
『
「仕方ない…俺も本気を出す時が来たみたいだな」
「火の戦士のあたしに勝てるの?」
剣を肩に当てながらニヤついた顔であたしは返事をする。
「全てを殺戮する武器! 禁断の…召喚!
存在を表わせ!『滅殺剣
なんなんだこれは…! ニヤつきが真顔にシフトチェンジする。
男はビームを放てそうな剣を担いで呟いた。
「獄炎と空土、どっちが勝つだろうな…」
滅殺剣なんかより、女神の剣が強いに決まってるだろ戯け。
「「ーーもちろん、勝つのは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます