後書きに代えて
ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805年4月2日 - 1875年8月4日)
デンマークが誇る“童話作家”である。
その作家人生の初期においては恋愛小説家として名を為すものの、次第に童話作家・詩人として評価されるようになる。
彼の転身を決定づけた名作“人魚姫”は盟友にして大作家アレクサンドル・デュマによる推薦も有りヨーロッパ中で大人気となった。
しかしその人気に反比例するが如く愛すべき異性には恵まれず、ついぞ一人の女性の手も握ることなく七十歳の時に肝臓がんでその命を終えた。そしてその葬式には記録的な人数のファンが押しかけた。
想像を絶する末期がんの激痛の中、それでもその手の中には初恋の女性に向けて書いた恋文を固く握りしめたと言われるアンデルセン。
彼は信じられない程穏やかな笑顔でその死を迎えたとされる。
誰からも愛されながら、誰にも愛されなかった男を、最後に迎えたものとは一体なんだったのだろうか。
失恋童話 海野しぃる @hibiki
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