傍観者


――信じられない。


A級とも呼ばれるサイクロプス一つ目の巨人が一撃で……!


それも、あの男が放った一撃……。細剣から繰り出されたものにも関わらずサイクロプスの強靭な肉体をいとも簡単に切り裂いた。あの男、相当な魔力の持ち主なのだろうか……?


「……ロキ。どうするの」


隣で私と同じ様に驚愕したような顔をしている女……。私達のリーダーである”ロキ”に私は問いかける。


「決まってるでしょジダン……。仲間に引き入れるしかないわ」

「彼も私達と同じなのは間違いない……。あの様な力、この世界には存在しないはず。それにクルーガー転生者だと言うのなら目的も同じ……」


「これは面白くなってきたわ……!」


そう言い自分の唇をなぞるロキはさっきの驚愕した時とは大きく違い、今にもあの男に接触するのが楽しみな様子。


……はぁ。いつもみたいに変な事を口走らなければいいんだけど。


「行くわよ、ジダン」

「……分かった」


私達はあの男の放った一撃によって倒された木々を避けながら、彼の元へと向かっていった。

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遠き世界の戦士達-クルーガー- でど @deddedded

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