花咲か灰慈〜小噺集〜

作者 乙島紅

60

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★★★ Excellent!!!

本編では灰慈の視点からの物語でしたが、こちらはそのほかのキャラクターからの視点が描かれています。
本編でもキャラの設定はしっかりつかむことができましたが、こちらを読んで更にハッキリとした人物像が見えるかと思います。
そして、どのキャラクターも主役級だなと思わせるところが、乙島さんの「魅せる力量」を感じさせてくれます。
個人的には、おじいちゃんのお話が一番好きでした。
おじいちゃんも、灰慈も、いっぱい悩んだんだね・・・。
どのお話もテンポよく進みますので一気に読めてしまうんですが、この世界観に浸りたくて敢えてゆっくりじっくり読みました^^
温かいキモチに触れたい人、是非本編をご覧になってからこちらも併せて読んでくださいね^^

★★★ Excellent!!!

番外編です。なので、是非本編も合わせてどうぞ。
ツンデレヒロインの裏と表を美味しく頂けます――じゃなくて、哀しみとそこから立ち上がる姿をしっかりと知ることができますから。

悩んで、傷ついて、笑って、癒されて。
人間って関わりあって生きていくのだと感じさせられる物語。

灰から花を咲かせる力を持つ灰慈君を真ん中に広がる思いやりの花を、是非ご堪能くださいませ。

★★★ Excellent!!!

おそらく『花咲か灰慈』を読んだ人の多くが、まだこちらの『小噺集』を読んでいないと思われる! しかし、それはとっても勿体ないことだ。

『花咲か灰慈』は、この『小噺集』の『ホワイトスノウ・カーネーション』をもって完璧に完結するのだ。

もちろん本編のみでも完結しているのだが、漫画原作コンテストの文字数のしばりと、一人称小説故、どうしても描き切れなかった雪乃サイドの視点にが、こちらでは捕捉されている。本編のスピンオフというよりは、カードの裏表、両A面のCDのような関係の作品だ。(両A面なんて古いかしら?)

とくに本編で言及の少なかった雪乃の父について多く書かれているので、彼女の父親がどのような人物で、どのような経緯をもって再び彼女の前に顔を出したのかということが詳しく解明される。親子の再生の物語として見ても十分に面白いと思う。

他の二編も同様に読みごたえがあるので、ぜひとも全三篇の番外を読んで『花咲か灰慈』の世界観を余すことなく楽しんでほしいと思う。言ってしまえば、本編と小噺集は紅白まんじゅうのようなもの――

紅と白、二つ食してこそなのだ!

★★ Very Good!!

ハイジの番外編。
衣装の秘密、じいちゃんの青春時代の物語。
戦後の復興期だからこそじいちゃんの思いや復興にかける人々の思いが伝わってきて、本編同様良い味だしてます!
よく漫画の巻末にある、読切みたいに、こっちはこっちでもっと読みたい!と思わせる素晴らしい作品でした!
いやぁ、上手いなぁ。と感心しきりでございます!

★★★ Excellent!!!

本編に引き続き読みましたが、やっぱり素敵な物語ですね(’-’*)
お爺さんは、もっと朗らかな人だと思っていました(私の勝手なイメージです)。
ところが、こんなにも悩み苦しんで花を咲かせていたんですね。このお話を知ると灰慈の衣装とお爺さんの想いが繋がり重なります。

やはりとても素敵な物語で、続きを読めた事に感謝です。ぜひ、番外編も本編を読んだなら皆さんに読んでもらいたいですね。

だって、こんな切なくて素敵なお話なのですから。