幕末の種痘医。天然痘を撲滅するための、確かな一歩。

秋田久保田藩士の次男として生まれ、天保年間に幼少期を過ごした福蔵。
医家高橋家の養子・久三郎となった彼は、天花痘(天然痘)と戦う。
当時行われていたのは、人の天然痘を軽く感染させて免疫を付ける人痘。
だが、重症化する恐れのある人痘よりも安全な、「牛痘」が存在するという。

種痘を繰り返せばいつかは、天花痘を殺しきることができる。
その日を久三郎自身が見届けることはできない。
それでも未来を見つめ、学び、広める久三郎の志に心を打たれます。