第2話

「はぁ……」


 あれから三日。一度もゆうちゃんに話しかけられてません……。

 いつもまわりをリア充グループが囲っているからです……。席も離されてしまいました。

 あいつら席替えの時期でもないのに、簡単に席の配置をうごかしやがります。頭おかしいです。


「あれ、地震……?」

「なんかすごいグラって揺れたよ」


 話は変わりますが、実は私、この世界を滅ぼすために生まれた悪魔なんです。

 この世界のすべての存在に終わりを告げるためにやってきました。


 でも、私は世界を滅ぼしたくありません。

 だってゆうちゃんがいるからです。

 世界を滅ぼしたら、ゆうちゃんまで死んでしまいます。

 そんなことしたくありません。


 だから、ゆうちゃんに毎日授業の『終わり』を告げることでその衝動を我慢してきたんです。

 なのに、なのに……!


「ま、また揺れた」

「なんか一昨日ぐらいから多いよね。ニュースにはのらないし。なんか怖い……」


 リア充グループたちのせいで、ゆうちゃんに話しかけることすらできなくなってしまいました。

 おかげで世界を滅ぼそうとする衝動が、私の中にどんどんたまり続けています。

 この局地的な地震もそのせいです。


 このままでは、いずれ私の中の破壊衝動が限界を越え、世界は滅びてしまいます。

 

 なんとかしなければなりません。

 どうにかして、この衝動を解消していかないと……。


 リア充たちの厚いクラスカーストスクラムによって、ゆうちゃんという切り札は私から遠く離されてしまいました。


 でも私は諦めません。

 なんとしてでも、この破壊衝動を抑えきってみせるんです。

 このゆうちゃんが生きる世界を守っていくために。


 クラス底辺ぼっちの私でしたが、今日から変わるんです……!

 ゆうちゃんを守るために……!


 す、少しづつ……!

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終焉を告げる者 小択出新都 @otaku_de_neet

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