優しき男は望まない争いの大地を剣で切り開らく、自らの宿命を正義と信じて

この作品は謎多き時代を想いのいとで物語として語る小説。

歴史は勝者の都合で語られる。残された文献にも嘘が記述されている。そんな曖昧な文献から真実を知ることも探すことも不可能に違いない。それでも想いは過去を求め、魂は、霊は神の声を求める。

正しきを求め生きた者が王としてあったなら‥

ラスト・シャーマンは夢物語のようだ、史実として語られる限られた現実の欠片を集め、それを素材として理想と夢で希望を紡いだ夢の物語。

確かにラスト・シャーマンの世界で描かれるのは想像に過ぎないが、その想像の中で神話として語られる者達は息をし、涙し、愛を感じながらも嫉妬に苦しみ、悶え、悩み、神に答えを求め、神の声を失った時に気づく。

問いかけが見えない答えだと。

僕はこの作品を読むことを強く求めます。読んだ僕が作品を描かせた神の想いを強く感じたから。

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