EXTRA STORY :0
「世界なんてものが、変えられると本気で思ってるの?」
少女は、そう言い切った。
「世の中って、エノーが想像以上に複雑なのよ?」
この世界について、何も知らないはずの少女はさも体験してきたかのような自信を持っていた。
「百歩譲歩して、変えられたとする。譲ってね。だけど、エノーたちが作り上げたものはすぐに形骸化する。他人に利用されて腐敗する。私が知っている世界だって、そうなったから」
どうすればいいのか。
少女の答えは決まっている。
「だからね、私がここに来たの」
純粋な悪意の笑みを浮かべた。
少女が進む道は、屍で出来た山の頂へと続いている。
多くの人を死へと誘い、多くの悲しみを産み落とす。そして――より多くの人々を救う。
「さあ行こう、エノー。この世界を支配しに」
――俺が少女を止めなくては。
――俺が少女を守らなくては。
カティへの想いを貫くために。
『異世界からの
紅き眼と追憶の獣 南かりょう @karyo28
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