第終説 虎耳の告白
境内から出るのは危険だと判断した葛ノ葉さまは、すぐさま自分を姿見の井戸から脱出できるようにしてくれた。社務所の
「
自分に気づいた虎耳が問いかけてきた。
「それは…」
答えに行き
『お前ら、そういう関係だったのか?』
「和泉くんは、関係ないわ。」
「虎耳!!」
「ごめんね。和泉くん、こんなことになってしまって…」
「しゃべるんじゃない!」
虎耳の華奢な身体には、無数の五寸釘が打ち付けられていた。真っ白な制服に血が滲む。
「でも、これでいいの。これで…」
「どういうことなんだ?虎耳!」
口から血を流しながら、弱々しい声で、自分の問いかけに答えてくれた。
「本当の私は、人間じゃないの。虎の残像…私の先祖は、
「ありがとう、和泉くん。これで、すべてが終わる。サヨウナラ…」
「虎耳!しっかりしろよ。虎耳!虎耳!…」
『慈しむ末路…』
虎耳の残声を
「虎耳を返せ!」
自分は睨みつけた。
『次は貴様ダアアア』
大神先生が自分に向かってきたその時。
『アアア…』
突然、大神が叫び声を震わせる。そして、そのまま絶命した。混乱する中、天から声が聞こえた。
「"似て非なるモノ"。つまりは、相関関係の由縁。それで、お互いに封殺された。元々、祖先が同じだからじゃのお。」
葛ノ葉さまの
葛ノ葉稲荷譚 新庄直行 @Shin__Nao
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