よせては、かえし、またよせて……。作中ところどころに散りばめられている、『漣』の音。得体の知れぬ出来事にじわりじわりと浸食されてゆく主人公の日常を表しているようにも感じられ、このお話の雰囲気を強く印象づけてくれるようです。謎の少女、恩師との再開、『サイト』と呼ばれる少年『鴉』……。漣の音で満たされるとき、主人公は何を思うのか……。