タチの悪い美少女に付きまとわれる不幸な主人公

前作での借金返済のため、校内対抗戦に挑む主人公。
そこに隣国の王女が現れ、唐突に主人公は自分の弟だと宣言します。
鬱々とした展開の多かった一部と比べると、主人公の立ち位置も安定してラノベ的展開で始まりますが、そこはそれ。当然のように不利な立場へ追い込まれていきます。そこに、地球から来たもうひとりの少年や、忌まわしき魔法の書物・青海文書を巡る謎が関わって、物語世界の謎が少し解き明かされていきます。
物語も良いのですが、描写も見逃せません。舞台となる翡翠の国は魔法が存在する世界ながら一般には魔法が禁じられていて、ファンタジーではなく近代的な国家。しかし、翡翠の国では禁じられた魔法とファンタジー世界はこちらの事情など知らずに牙を向いてきます。第一部でも描写された、竜に蹂躙された都市。そして第二部では、魔法を日常に使いこなす隣国の姫君が登場します。お楽しみに。