ソーシャルゲームのシステムを取り入れたソシャゲー学園。
ガチャで転入するネームド生徒を集めて君だけのクラスを編成し、毎日の授業でステータスを鍛えて期末試験や体育祭などのランキングイベントでハイスコアを狙おう!
冒頭から濃密なソーシャルゲームあるあるネタで休みなく笑いを提供してくれるが、いずれ遠からず訪れるであろうネタ切れ以降も魅力的なコンテンツでいられるかは、先生が今後のガチャで引くキャラの魅力に掛かっている。
果たして先生は自分のお給料をどれだけガチャにぶっ込んでしまうのか。
そしてメタ的にこの小説はどれだけのアクティブ読者を獲得してサービスを継続し続けられるのか。
メディアミックスを成し遂げて聖霊院ちゃんや未だに本名不明のガイドキャラにボイスが実装される日はやって来るのか。
まだ課金機能は実装されてないようなので代わりに感想を書いたりして応援しよう。きっと更新が早くなるに違いない。
まず発想もぶっ飛んだ作品ですが、圧倒的なギャグ密度で次々と無茶をやらかしながらも、ソシャゲー特有の演出やメッセージ、ドン引きしながらもなんだかんだで続けてしまうプレイヤーの心理など、全体的に「言われてみればありそう」なエッセンスの掴み方、表現の仕方がずば抜けています。
また、極めて雑な存在として出現したはずのガチャ生徒の使い方が何気に凄く上手く、背景のドラマなどを描写せずとも、ふとした台詞や小ネタなどでキャラクター性を深めてきたり、思わず先のストーリーを見てみたい好奇心を煽る手法は、まさにリアルソシャゲーのそれでしょう。一歩引いた視点で生徒たちを見守る主人公とのシンクロ性も否応なく高まります。
……ただ、そういった技巧を抜きにして、とにかくギャグが面白い!読みやすさと楽しさを兼ね備えており、読んでみれば確実に笑えると思います!
とにかくスイスイと読めて、ボケとツッコミの応酬が心地いいです。
噛み合ってるようでいて噛み合ってない先生と先生の心温まる(?)やり取りに、運営の手先が挟まることでコメディの王道と言える内容に仕上がっています。
ソシャゲをやったことない人でも、運営の手先こと本名不明のピンクさんが挟まることで無理やり自然……に、説明が入りますし、それ自体面白いんですからたまりませんね!
世界の真実に辿り着いてるような思わせぶりなことを言っている聖霊院以下生徒たち、運営の手先、主人公(プレイヤー)の先生、見事に話を回す上で役割分担してるんだなあ、って感じはあります。
客寄せというか注目されるところは生徒、読者に現実的視点(理想)を提供するのが新任の先生、運営の手先はソシャゲの現実というか、理想じゃどうにもならない現実をコミカルに見せて、話を円滑に回します。
ホントに上手くできてるなあ、この小説!
完結、お疲れさまでした。最後まで笑いながら楽しく読ませて頂きました。
「ソーシャルゲームのシステムを教育に応用した学園」。
ソーシャルゲームをコメディ小説に落とし込むにあたり、最初の設定を押し通したのがこの作品の白眉であり勝因なのではないかな、と思います。
最初に一番無理のあるとも言える設定を提示することで、あとはソーシャルゲーム特有のあるあるネタで笑いをとりつう、アクの強い(と、同時に魅力的な)女の子を沢山だす理由付けとなる。
ピンクと主人公の会話を主にした語り口も軽妙で、内容との親和性も抜群でした。
もしこの作品が2話、3話と続いていくのなら、ピンク以外の各々のキャラクターのより一層の掘り下げや魅力的な新キャラクターの追加が必須になっていくことと思います。
そちらにも是非期待をしています。
貴方が今手にしてこのレビューを読んでいるかもしれない魔法の機械。
その魔法の機械で、貴方はどれだけのソーシャルゲームをこなしてきたのでしょう。
どれだけのお金をつぎ込んで来たのでしょう。
どれだけの時間をつぎ込んで来たのでしょう。
注ぎ込んだお金と時間が多ければ多いほど、貴方はこの作品を楽しめるはずです。
何故ならこの作品は、誰もが味わってきたソーシャルゲームテンプレを忠実になぞって面白おかしく滑稽に作り上げられているからです。
かくいう私も最近クソゲーに幾らかの時間をつぎ込みまして、大変な時間の無駄遣いを致しました。
そんな無念の記憶は、自然とこの作品にテンプトされ、ページを次から次へと繰らせるのです。
「そこに魔法の作品があるじゃろ?」