第3話 運命の出会いでしょうか?
あれから三年経った。
俺は相変わらずいつもの調子で修行している。
魔法に関してはそれなりに上達している気がするし、ネット小説で読んだ魔法はだいたいは使えるようになったと思う。
剣に関しては分からない。
別に前世で剣道してた訳でもなんでもないし。こんな事なら剣道でもしとけば良かったなんて思う今日この頃。
まぁ、こんな転生するなんて思わないし仕方ない。
とりあえず頑張るしかない。
まぁ俺にはとりあえず魔法があるしね。
というか、転生したのに全然イベントもフラグもテンプレ展開もないけど。
「へへっ、一緒に遊ばない?」
「イイじゃん! ちょっとくらい!」
「行こうよ!」
「い、急いでるので……」
いつもの場所に向かいながら歩いていると前方から声が聞こえる。
なんだいったい?
よく見るとありきたりな感じで男三人が女の子に声をかけていた。
女の子は困った様子で体を縮こまられせている。
キターーーーっ!!
これぞテンプレ展開じゃないか!?
「おい! その子を離せ!」
あっ、俺もありきたりな事言ってしまった。
まぁテンプレ展開だしいっか。
「なんだ!? ……お、おまえは!?」
あっ、俺の事知ってるのね?
って事は村の子供か。
自慢じゃないけど、一人で魔法の練習ばっかしてるから同年代の奴知らないんだよな。
まぁ魔法使えるってバレたから、村ではちょっと有名みたいだし、大人も俺にはあまり絡まないんだよな。
でも、荷物運ぶの手伝うのに何回も往復するの面倒くさいからって身体強化の魔法使ったのはミスだったな。
あれでバレてしまった。
まぁいずれバレるだろうしな。
母さんと父さんも魔法使えるって分かると、喜んでたしヨシとしよう。
てか、そのままどっか行ってくれると助かるんだけど。
「い、いやこっちは三人だ! かかれ!」
芸もなくありきたりな展開だった。
「くらえぇぇぇ!」
一人の男が俺に突進してパンチを繰り出す。
「よっと、はい!」
「ぐっ!?」
俺はイメージして体に魔力を送り、身体強化して、相手のパンチを横に逸らしあっさりかわすのと同時に、鳩尾にカウンターをおみまいし、さらに後頭部にちょっと衝撃を与え気絶させた。
「ふ、二人でいくぞ!」
「はいはい、纏めてどうぞ!」
次は二人まとめてかかってきたけど、俺は当然魔法を使うまでもなく相手の攻撃を躱し、ちょっと一発おみまいして気絶させた。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ! どう……いたしまして……」
俺は手を払いながら振り返ると、そこにはめっちゃ可愛い女の子がいた。
水色の髪の毛で長さはボブくらい、それに透き通るような白い肌。
背は少し低めでクリッとした可愛い目。
歳は同じくらいだろうか?
俺は一瞬で完全に心を奪われた。
「あ、あの〜…お強いんですね」
「……」
「あ、あの〜……」
……あっ!ヤバイ!
完全に意識が飛んでた!
まさに雷に打たれたような衝撃を受けたせいだ。
「えっ、あっ、いや、ちょっと寝不足で……」
俺は動揺してワケが分からない答えをしてしまった。
何してるんだ俺……。
そんな俺を女の子は心配そうに見ている
「だ、大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫! 今目が覚めたから!」
女の子は不思議そうな目でこっちを見ている。
……終わった。
「あっ、俺急いでいるから!」
俺は急いで走ってその場を去ろうとした。
「あっ、待ってください! 名前だけでも教えてくれません!?」
後ろから声が聞こえ振り向きざまに答えた。
「俺はハル! じゃぁ!」
「……ハル……君」
今の俺にはそれが精一杯だった。
俺はとりあえず走ってその場を去った。
ーーーー
水色の髪の色の女の子……可愛かったな……。
それにしても俺はなんで……。
いつもの場所についてから猛反省していた。
でも、仕方ない。
俺は今まで一人で魔法の練習ばっかしてて、まともに女の子と話した事はない。
いくら前世があったとはいえ、ブランクが長すぎる。
……いや、でも前世で大の大人だったのに……何やってんだ俺……。
「はぁ〜……」
いや、仕方ないか。
水色の髪なんて日本でもそんな見た事ないし、動揺しても仕方ない。
というか、まさに二次元の世界からそのまま出てきたようなアニメキャラのヒロインみたいだったもんな。
動揺しない方がおかしい。
まぁ初恋は実らないものだというし、仕方ないか。
……って俺の場合は初恋になるのか?
ん? 下手したらロリ……いや! これは転生したからリセットだ!
年齢もリセットだからロリじゃないし、初恋だ!
「はぁ〜……でも可愛かったな……」
「グォォオオオ!!!!」
「うわっ!!」
気づくと熊が俺に襲いかかろうとしていた。
「くそ! 今までこんな展開なかったのに今日はなんて日だ!」
俺は山は危ないと言われていたのを棚に上げて、今日はいろんな事が起こる日だという事にした。
そして、熊は俺の八つ当たりによって魔法の餌食となるのだった。
俺、異世界で頑張ります! 〜運命を背負った転生物語〜 リュウ @RYU_777
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺、異世界で頑張ります! 〜運命を背負った転生物語〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます