短歌、記憶帖

20

1

ポケモンの　じぃじと呼ばれる　時が来る

孫作る価値　十分にあり

（読み方）

ぽけもんの　じぃじとよばれる　ときがくる

まごつくるかち　じゅうぶんにあり

2

突き放し　突き放されて　夏の雲

煙草摘みだす　指は震えて

つきはなし　つきはなされて　なつのくも

たばこつみだす　ゆびはふるえて

3

甘砂糖　雨ざらしなり　雨恨む

甘味もとめて　奄美大島

あまざとう　あまざらしなり　あめうらむ

あまみもとめて　あまみおおしま

4

一息に　静まらせたく　我が心

言わないぞまだ　手を握るだけ

ひといきに　しずまらせたく　わがこころ

いわないぞまだ　てをにぎるだけ

5

事故無事故　一髪に吹く　ひやり風

見よ手順一覧　走馬灯の前

じこむじこ　いっぱつにふくひやりかぜ

みよてじゅんいちらん　そうまとうのまえ

6

交差点　右見てみ右　小さな子

いくのはあの子　あなたは残る

こうさてん　みぎみてみみぎ　ちいさなこ

いくのはあのこ　あなたはのこる

7

花二つ　風に揺られる　モルディブの

うみの境に　何をぞ想う

はなふたつ　かぜにゆられる　もるでぃぶの

うみのさかいに　なにをぞおもう

8

南海の　潮陽に光る　風の沖

透明な魚　清く跳ね出る

なんかいの　しおひにひかる　かぜのおき

とうめいなうお　きよくはねでる