これぞ高齢社会の時代に適した(?)小説です。いや、こんなふうに活躍されたら大惨事ですが……(笑)読ませる力があるので、ノンストップで読了。素直に面白かったです。
ターザンになったバーサンの姿。それはシュールなギャグをオブラートに包みながら伝えてくれて、野性に返ったバーサンの姿が凄くさびしく見えるお話でした。
ここまで来たら笑うしかない。その一言に尽きますwwwおばあちゃんをここまで駆り立てたのは何なのかは謎のままですが、多分彼女には王者に相応しい何かがあったのは確かですね。このまま日本はどうなってしまうのかが気になりますが、取り敢えずおばあちゃん頑張れとしか言い様がありません(笑)
ギャグっぽい内容を想像して開きましたが結構シリアス。自然の力を垣間見ました。面白かったです。
他になにができる?できるのは、せいぜいがタバコを吸うことくらいだ。だったら応援するしかあるまい。
冒頭のやれやれから、随所に片鱗がみられるが、最後のおばあちゃんの「~つもりになってるもの」の畳みかけのセリフでは、もはや確信に至るほどのオマージュを感じた。決して劣化していないからパクリではなく、むしろ限りなくオリジナルだけど、そこはかとなく匂わせるから、まさにリスペクトでありオマージュ。初期の春樹の短編よろしく、意味不明でダイナミックな筋書きとメタファーに恐ろしい程の才能を感じる。今まで見つけた全作品の中で、圧倒的に好み。本当に面白かった。凄い。
何故こんな発想ができるのだろうか、と本当に感心させられる。凡人には考えられない、驚きの展開の連続だった。作文も非常に上手い。枕目さんは、多分何を書いてもスゴイ作品に仕上げると思う。特に残酷描写がない物語が見たいと思った。
最初の一行で大爆笑したのも束の間、だんだんそれが黒いモノに浸食されていくのを感じた。そのまま文字通り読んでしまうと、爆笑の後に「あ~楽しかった」で終われるストーリーだが、深読みしてしまうと果てしなく深読みできてしまうところが恐ろしい。これは現代文明に対する挑戦状としか思えない。
老人だからと言って馬鹿にする世の中、子供叱るな来た道だ。老人笑うな行く道だ。では微笑むのは誰だ? 勝利の女神か? 手招くのは誰だ? 悪魔か?いいえ、答えはたった1人のバーサンだ。
暴走するおばあちゃんを、思わず応援してしまう登場人物たち。平穏に老いて死ぬことこそ望み、と大抵の人は考えるだろうけれど、一方で「まだ、戦える」「戦える存在でありたい」とも、誰もが考えているはず。などと後で考えましたが、読んでるあいだは爆笑してました。
こいつは、イカレてる。イカレすぎている。最高だ!狂気が満開だ!こんな小説を書く人がカクヨムに蔓延したら良いのに、これだけのレベルは中々いないだろう!著者にはどこまでも突っ走って欲しい!