読みやすい文章のカタチってなんだろう?

@youki39000

ネット小説で凝った文章読むのってしんどすぎワロタ……?

 かき氷、食べたことありますか。


 ありますよね。


 じゃあ、かき氷食べて、頭がキーンってなったことは、どうです?


 ありますか?


 あれって、どうしてなるか聞いたことあります?

 或いは、キーンってならないかき氷の存在は知ってますか?



 僕、かき氷を売る商売をやったことがあるんですけど、キーンってならないかき氷……いわゆる「ふわふわかき氷」はね、作るときに使う氷の量が少ないんですよ。


「使う氷の量が、少ない」


 うすーく薄く、ふわふわに削るものですから、山盛りいっぱいにして、お客さんから「こんなにたくさん?!」とか言われるくらいにしても、原料の氷ブロックは1cmくらいしか削れてないんです。

 削れた氷と氷の間に沢山空気入ってます。ふわふわの鰹節が山盛りになってる感じです。


 それに対して薄く削らない、ふわふわじゃないかき氷で同じくらいの山盛りにすると、氷ブロックを3cmから4cmくらい使っちゃうんです。削る厚さによってはさらにその倍になったりもします。

 削れた氷と氷の間に隙は少なく密度高いですし、削れた氷の質量も比較して大きいです。あっちが鰹節なら、こっちは刻みネギが山盛りになってる感じです。

(余談ですけど、厚く削ったほうが早くたくさん作れるので、「ふわふわかき氷」がウリの店でも、忙しい時なんかはわざと厚めに調整してスピードを上げたりもします。当然ふわふわ度は下がります。氷の原価はお察しの通りなので、2倍3倍の量を使うことより回転率上げるほうが儲かります)



 つまり、頭がキーンってならないかき氷は、体積あたりの氷密度が全然違うのです。

 一口で食べる氷の量ががぜんぜん違うんです。


 キーンってならない理屈は色々言われていてそれはそうなんですが、それがそうなるのは単純に「実は使ってる氷の量が少ないから、口内を冷やす効果も少ない」ってだけです。


 ふわふわかき氷もね、一気食いすると頭がキーンってなりますからね。機会があったら試してみてください。

 ちょっともったいない気もしますけどね。

(食べずに完全に溶かすと、もっと驚きますよ。えっ、水こんだけ?! って)


 さて、本題なのですが。

「ネット小説で凝った文章読むのってしんどすぎワロタ」というタイトルの創作論を読みました。(こはるん☆さん著)

 横書きをパソコンやスマホで読むのだから、紙媒体で縦書きの時と同じようにしてたら読みにくい、といった内容でした。たぶん。


 その論は僕も賛成なのですが、挙げられていた具体例には小首を傾げました。

 そこで一体どこに違和感があったのかを突き詰めたところ、たぶんこういうことなんじゃないのと思ったので、書いてみることにしました。



 こはるん☆さんの「ネット小説で凝った文章読むのってしんどすぎワロタ」からの引用になります。


“行ごとの文字数はできる限り揃ってないほうが読者としては読み易い”


 最初に、アレ? と思ったのはこれでした。

 こう書いてあったんですが……まあ、なんというか、当の本人の文章は文字数が揃ってる状態になっていました。


 この事について、言ってることとやってることが違うじゃないかなんて突っ込むことはありません。

 どうしてこんなおかしな事になっているのか、僕はすぐに思い当たったからです。


 実はスマホで読んでいたんです。

 解る人にはこれだけで解ると思うのですが、知らない人のために説明すると、パソコンで読む時と、スマホのアプリで読む時は1行の文字数が違うんです。


「パソコンとスマホアプリでは1行の文字数が違うんです」


 パソコンで読むときは1行が38文字で、スマホアプリで読んでる時は1行が20文字になっていました。


(この括弧内は飛ばして構わない内容です。面倒なら飛ばしてください。僕はAndroid使いなので、もしかしたらiPhoneだとまた違うかもしれません。というかAndroidでも機種によって違うかもしれません。もっというと、僕はスマホのフォントを「竹ちょく」というものに設定していて、それがカクヨムのアプリにも反映されていたので、同じ機種でも20文字で表示されているかどうかはまったくわからないところであります。ついでに言うと、そんなことどうでもいいので、調べる気力もありません。それからパソコンで読む時もブラウザのウィンドウサイズによっては1行の文字数が変わるという重箱隅)


 それでまあ、一つの文章がたくさん改行されていて、びっしり文字が並んでいる行が、いくつもある状態だったんです。

 しかしこの状態、こはるん☆さんが言うほど、読みにくくないのです。


 これが違和感の正体でした。


 しかし、どうして読みにくくないのか。




 色々考えたのですが、僕は人に説明するのがとても下手くそなので、いっそのこと説明をやめて結論だけ書いてしまいます。


 人の目は上下の動きより左右の動きの方が苦手だと感じる。

 少なくとも自分はそうだ。

 しかしだから横書きは読みにくいということではなく、目をたくさん動かさなければならないのが読みにくさの原因だと思う。

 なぜなら、横長ディスプレイでwikipediaをウィンドウ最大化して読むとものすごく大変で、いつもウィンドウサイズを調整して1行の文字数を調整しているからだ。

 毎日のように読む新聞も、もしも段組がなく、紙の上から下までで1行になっていたらブチ切れるくらい読みにくいだろう。縦書きだから読みやすいなんてただの幻想にすぎない。

 カクヨムは1行38文字で、目を大して動かすことなく読める。ましてやスマホにいたっては全く目を動かす事なく読むことすらできる。

 カクヨムに限って言えば、横書きのせいで読みにくいということはない。


 僕たちは頭が弱っているので 長い文章よりも 獣の雄叫びのような

 単語でのやり取りの方が 疲れずに済み 心地よく読むことができる。


 スマホで読まれることも考え

 1行を20文字以内で

 改行しまくって

 密度がスカスカのものを書けば

 読みやすい。


 面白いかどうかは別問題だ。











 いや、なくてもいい言葉を詰め込み過ぎると息詰まって読みにくいってだけのことでしょ、やっぱり。

 少ない言葉で無駄なく正しく表現できればそれに越したことはない。

 紙でも縦でも一緒でしょ、そこは。

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