おまけ:タナール心の日記

 あの後、自分の準備を整えて振り返ると、血まみれになってナイフを構えたルキが不気味な笑みを浮かべて立っていた。ちょうど逆行になって、ルキの姿は殆ど陰になって見えた。その不気味な佇まいと影、血、ナイフが演出した姿に感じたのは恐怖。その姿があまりにも様になっていたもので、俺は思わず悲鳴を上げてしまった。


 まあ、単なる悪戯だった訳だが。俺が準備している間に手際よく血抜きを済ませ、その血を使って俺を脅かそうとしたらしい。その目論見は成功し、俺は驚きのあまり腰を抜かしてしまった。なぜそんな事をしたかというと、狼から助けたにもかかわらずお礼を言わなかったからだそうだ。そんなことでそこまでするか?


 くそう、ぜったいいつかルキを見返してやる!

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The Abandon Quest 由文 @yoiyami

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