小説を一読した後に、作者による解説を読んで驚愕した。なんと書かれたのは80年代だというのだ。おそるべし、山本弘、である。
登場するのは、民間のスペース・サービスチーム、「スターエンジェル」に属する、それぞれ個性豊かな(少なくとも外見上の)美少女たち。エースパイロットに超能力者、そしてエイリアンといった面々が、手に汗握るメカアクションを繰り広げるのが本作である。
これでもかと繰り出される多彩なSFガジェットの魅力もさることながら、本作の読みどころは、何と言っても、キャラ同士のテンポの良い掛け合いによって進行するアクションシーンであろう。ここは、ロボットアニメに通暁する作者の面目躍如といったところか。
随所に散りばめられた小ネタにもニヤリとさせられるし(何しろ、登場する機体の名前からして「リプリー」と来たもんだ)、「針金とビニールパイプ」を何に使うかと思ったら、まさかの「アレ」である。これには大いに笑わされた。マザー・リズベスを始めとするチームの面々の設定などは、『キャプテン・フューチャー』を思い起こさせたり、まあ興を削ぐのでこれくらいにしておくが、あとは読者が自分で発見するのが楽しいだろう。
2016年現在においてアニメ化されたとしてもおかしくないこの作品、「カクヨム」に投稿されている山本弘氏の作品の中では、比較的読まれていないようなので、多くの読者の目に触れることを願いつつ、レビューを草した次第である。