ロックはほんとに死んだのだろうか?
ロックは死んだ、いや不滅だ。
このところロックという音楽の生死の論議が盛んになってる。
海外のポピュラーのヒットチャートをみてもポップスやラップなどの音楽が幅を利かせてるのが現状である。
ロックの花形楽器といえるエレクトリックギターも売り上げは下がる一方。
昨年はレスポールのブランドで名高いギブソンが倒産した。
そして近日入ってきたニュースだが、ウッドストック50周年もほぼ中止が決まった。
ウッドストックといえば1969年行われた伝説の音楽フェスティバルだが、その開催50年を記念してベテランアーティストと新進アーティストを出演させる企画であったが、空振りに終わってしまった。
そしてここ数年死去、引退が相次ぐロック黄金期のアーティストたち。彼らも後期高齢者になり年齢という運命には逆らえない。
ロックはその元祖であるロックンロールから生まれた。黒人音楽やカントリーを融合させたこの音楽は1950年代半ば、多くの若者を虜にし普及していった。
それは最初悪魔の音楽だといわれたが徐々に市民権を得ていった。
そして60年代にはいり、ロックとなりそれはイギリスへと波及した。
第二次世界大戦後の米ソの冷戦、ベトナム戦争や中東紛争など、大きな戦争が終結しただけで世界情勢の緊迫はなんら変わりなかった。
当時の若い世代は平和を求める反体制と結びついたロックに幻想を求めていたのだろう。
若者の音楽としてロックはさらに急速に世界に広がっていった。
この自由な音楽ロックは決め付けではあるが60年代から90年代にかけて、様々な音楽形態を生み出した。
大音量でヘビィなリフが中心のハードロックやベビーメタル、クラシックやジャズ、あるいは民族音楽を取り入れたプログレッシブロック、
派手なメイクとファッションにブギを取り入れたグラムロック、既存の音楽を否定して下層階級からの解答であったパンクロック、ポップスの魅力を取り入れた大人のロックAOR、パンクに洗練されたニュアンスを取り入れたニューウェーブ、シンセならびにコンピューターを駆使したテクノ、そして90年代にはさらなる既存のロックに対する反動としてもグランジやオルタナティブが出てきた。
駆け足で述べたが、細かくいえばもっと存在する。
そして今ロックは若者の音楽から外れつつある。言葉をコミニュケーションしたラップや当たり障りのないポップスが世間の窓口となってる。
ほんとにロックは死んだのだろうか?
自分は死んだという考えではなく、完成したと考える。
というのも今クラシックとよばれる音楽も当時は最先端の音楽であった。
バッハもモーツァルトもベートーヴェンも現在進行形の音楽であった。
同時代にも多くの音楽家がいたが自然の流れのごとく淘汰されていっただろう。
クラシック音楽は元々北ヨーロッパで発展した。教会音楽や民族音楽をもとに様々な音楽が使われ聴衆を虜にしていった。
そして時代が変わり、新大陸アメリカから生まれてきたのがジャズとカントリーであった。
その後は前述のロックの誕生、つまりロックはアメリカやイギリスから始まった新しい民族音楽であるといえる。
電気楽器を駆使したこの音楽は僅か数十年の間、多彩な音を追求し、作り上げていった。
あまりにも早く成長し過ぎた音楽であった。
今我々はたくさんのロックアーティストが残した過去のアルバムをこの令和の時代になっても聴いている。
ビートルズの曲はたくさんのアーティストらにカバーされ、ジミ・ヘンドリックスのギタースタイルは古くならない。
ロックは死んだのだろうか?
いや死んではいない。
それは若者の音楽としていまだ存在する。
外見は老いようと内なる心は若い。
やはりロックとは大人になることを拒絶した音楽、そのように思えるのである。
夢の図書館 夢野光輝 @kantoku007
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