美しく魅力的な女探偵イヴ。
読者が見守るのは、炎を操る彼女の復讐劇…。
この物語は勧善懲悪的ではない。
イヴは強くしなやかで、目的のためなら罪も厭わないからだ。
彼女のダークヒーロー的なかっこよさは、まるで洋画に出てくるグラマラスな女スパイのようでドキドキした。女性で、イヴのキャラクターに惹かれる人は多いはず。
強い思いは、良いものも悪いものも引き寄せる。
なぞの所長や愛らしい後輩の存在。
不気味でコミカルな信仰者もまた、物語を深くまで導き、加速させる要因になっていく。
密会で行われる駆け引きや、何気ない会話のなかに含まれた仕掛けに胸が踊った。イヴといっしょに、たくさんの謎とアクションを夢中で追い……やがて彼女は『答え』にたどり着く。
結末まで、どうかイヴの復讐から目を離さないでほしい。
きっと感動のため息がこぼれるから。