白い闇
@m_crux
第1話 今日も朝が来てしまった
光の朝は一本の煙草から始まる。
その煙はまるで自分の人生を映しているかのようで、儚く消えてしまうようだと、毎朝同じことを光は考えてしまう。
仕事が出来るわけでもなく、生きる意味も見つからない。それでも毎日制限ぎりぎりの薬を飲み続け、ひたすらに自分の病気と闘い続ける。
いったい何の為に病気と闘い続けるのか?親を悲しませないため?自殺は世間体が悪いから?それとも、何より大切にしてきた弟の経歴に傷をつけるからだろうか?10年という期間を闘病に費やしても、いまだに答えは見つからない。
煙草を一口吸って思い切り肺まで煙を満たす。そして煙を吐き出しながら、今日の事を考える。予定はない。外出すすることもままならない。
「何のために生きているんだか。」
朝が来なければいいと思う。新たな一日が始まってしまうから。そこに価値が見いだせないから。
自分はまるで真綿で覆われているような、白い闇をただひたすらに歩いている。
白い闇 @m_crux
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。白い闇の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます