てらふぉーまーず
深夜太陽男【シンヤラーメン】
第1話
地球上では人類の数が増えすぎたために宇宙移民計画が実施されることになった。ちょうど運良く人間が住めそうな惑星が近くで発見されたことが計画の後押しとなった。しかしその星は二酸化炭素が大気のほとんどを占めており、地表もとても険しいものであった。
そこで惑星開拓のために植物人間を開発し送り込んだのであった。この植物人間とは寝たきりの人間を指すのではなく、体表面に葉緑体が組み込まれた人型の生き物のことである。大気の成分バランスを変えつつ肉体労働もさせるという計画だ。人間が現地で管理と指揮ができないため、判断力を補うためにそれなりの知能をつけさせた。
計画は大成功であった。植物人間はぐんぐんと繁殖し数を増やして、あっという間に酸素を増やして星の地表をならしていった。生活文明は地球人の歴史の何倍ものスピードで発達していき、建築物が星を覆い大量の機械が生産され娯楽などの文化も生まれたのだった。やがて現在の地球人と大差ないところまでたどり着いた。たった数十年のことである。
人間が住める状況になったので計画は終了である。植物人間はもう用済みであるし地球人が暮らすスペースを空けてもらわなければならない。人間たちは火炎放射器を持って星に向い、植物人間たちを焼き払い始めた。何も知らない植物人間たちは当然反抗した。向こうも内乱の経験があるので武器くらい持っていた。
そう、戦争が始まったのである。惑星開拓の期間よりもこの戦争のほうが長く続いたので地球人も植物人間たちも疲弊していった。やがて地球人の中でも植物人間に人権があると主張する運動が盛んになっていき、植物人間の生活に干渉しないということで和解された。戦争は終わったが宇宙移民計画は失敗であった。
地球人はフリダシに戻る。再び計画を練っているとどこか遠い星から宇宙人がやってきた。
『お前たちは我々のテラフォーミングのための部品でしかない』
また戦争が始まる。
てらふぉーまーず 深夜太陽男【シンヤラーメン】 @anroku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます