創作物に過ぎない物語やキャラが、生きがいになる人はいます。それを虚しいと笑う人は多いでしょう。しかし巨視的に見れば、我々の文明・文化だって、幻想に支えられたところが決して少なくはありません。この物語における背景世界の真相や、主人公が最後にした決断には、オリジナルティに溢れているとは言いがたいですが、丁寧な描写が孤独な心に響くのです。「ありえざるモノ命」の人にお勧めします。
最期で敵の正体が分かると、それが真実の意味での大魔王だったと分かる。この物語は、うつ病になっても、薬を飲みながら大魔王を倒し続けなければならない男達へ贈る挽歌。きっと、あなたは、あなたの世界では救われない。この物語は、「〇〇は俺の嫁」といいつづけて歳月を重ね、最近では「〇〇は俺の娘」が口癖になっている、あなたのための物語。