多種多様な人々が織り成すこの時代という名の舞台に釘づけ!

 登場人物が次々と出てきますが、どのキャラも個性的で誰が誰か分からなくなるということがない! まずこの書き分けに感動しました。視点が切り替わっても読者が置いてきぼりにならない親切設計! ぽんぽんとリズム良く話が進んでいきます。読んでいて小気味良いです。
 また、他の方々も触れていますが、平成にならなかったらあり得そうな時代ですよね……。『ニー対』などむしろリアルな現代に取り入れてみてほしいですよね。それもこれも作者様にリアルな現代に対する深い洞察があるからだろうなとも思ってしまったり。リアルな現代に対する機微がなかったらきっとここまで書けない!
 リアルな現代との共通点がたくさんあって想像しやすい、とは言っても、この作品ならではの特殊な設定もたくさんあるじゃないですか。ファンタジーなのか歴史ものなのかはたまた、といったところですが、そのいずれにしてもリアルな現代とは違う以上世界観設定は説明になるわけで……。多くの長編物書きがぶち当たる壁ですよね。ところが、ところがですよ、この作品はその壁を軽く乗り越えている。それもこれもいろんなキャラの視点、いろんなキャラの切り口から時代を見ているからだと感じました。説明がくどくない! 分かりやすい! すごい! 見習わなければ!



 ただ、一点だけ気になる点を挙げるとしたら――できたらもうちょっと誤字脱字を見直してくださるといいかも……。素晴らしい作品であるからこそ、そんなことでちょくちょく引っかかってしまうのがとても勿体無いです……。

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