第13話 もう、いいんだ?

入居者様はみなさんそれぞれに特徴をお持ちですが、以前にも書いたS様はとりわけ個性的な方です。

私が夜勤で夜が明けて、さぁ、皆んなをそろそろ起こして回らなきゃ、と思った矢先の出来事でした。


S様

「すみませーん!助けて!お願いしまーす‼︎」


S様がお部屋からものすごい大声で叫んでいらっしゃるので、慌てて駆けつけます。

S様はベッドに座っていらっしゃいました。


「どうしたの?」


S様

「大丈夫か⁈」


「えっ?何が?」


S様


「心配になっちゃって、大丈夫か⁉︎」


「だから、何が心配なの?」


S様

「うん」⇦実際は頷いただけ


「だ〜か〜ら〜な〜に〜が〜⁉︎」


S様

「うん」⇦頷くだけ


「Sさん、何で呼んだんでしたっけ?」


S様

「だから、大丈夫か?」


「‥‥。大丈夫。」


S様

「オカズ何にした?」


「オカズ?」


S様

「うん」⇦頷き


「鮭の塩焼き?と、佃煮?とお味噌汁‥‥‥らし‥」

S様

「便所!便所連れてって‼︎」⇦かぶせて喋る



(‥‥‥もういいのか‥‥?)


かくして、前回と同じく 引き続きトイレでのやり取りが繰り返されるのであった。

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ここは舞台、私達は女優 穂波 類 @zoso

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