フェッセンデンの宇宙。水槽の脳。これらを荒唐無稽だと感じる人もいるかもしれないけれど、子供時代の私にとってはあり得るリアルな物語だった。けれど、大人たちは「それはフィクションに過ぎない」と笑う。私もいずれ、子供の「リアル」を笑うのだろう。この物語は、子供の「リアル」に大人が寄り添うことができるホラーだと思う。私が夢見た物語だ。
児童向けホラーって、どこか荒唐無稽なところがあるからこそ救いがあるように思うんです。しかしこの作品には、実際にあり得てしまうえげつない展開が描かれています。これは子供が読むにはきついかも。自力で消化できる大人向けの作品だと思います。いや、大人は行間が想像できてしまうから余計に怖いかも。なんにせよ怖いです!具体的な描写はほとんどありませんが、何も知らないような子供の口調で書かれていて、それがまたとても恐怖心を掻き立てられます。
これを子供に見せるのは、なかなか難しいかもしれない。少女視点の明るい文体だからこそ、奇妙な薄気味悪さがある。途中までは冒頭の犯人視点はなくてもいいかなと思ったけど、あれがあったからこそラストが効いてきますね。
心が痛ましくなります。それはそれだけ描写がリアルだということ。長編に期待します。拝見させていただきます。
ホラーとSF、両方好きな方にお薦めです。あまり書くとネタバレになってしまいそうですが、テレビの存在が恐さを引き立てていますね。
中盤の恐怖を煽られる描写がとても良いのですがやはりラストの展開が最高ですね。自分が小学生の時に出会ったとしたら何かに目覚めていたかもしれないと思いました。
とてつもない恐怖が押し寄せてきました。短い中に、卓越した構成力で綴られた文章は、読む人の背筋をゾッとさせます。実際に恐ろしいシーンというのは無いにもかかわらず、物語の全貌を理解すると非常に怖い。プロのなせる技だと思います。
……確かに子供向けはないと思いますが、どこか配慮のようなものを感じたのは、私が大人だからかもしれません。直接的な描写ではなく、シチュエーションで恐怖を感じさせる……そんな作品でした。