エピローグ 「超ズボラ勉強法」で成績を伸ばそう!
「夏子、夏子!」
数学の授業中にテストが返却された俺は、授業が終わると夏子の席へと駆け出した。
「秀ちゃん、テストどうだった?」
「やったぜ、これ見ろよ、これ!」
俺は誇らしげにテストを突きつけてみせる。
「どうだ、見ろ! 68点だぜ! この前のテストが36点だったからな、ほぼ倍増したぜ!」
「わあ、凄いね秀ちゃん。平均点が48点だったのに、それもだいぶ上回ってるよ」
「まあ、俺が本気を出せばこんなもんよ」
胸をそらしながら、俺は続ける。
「それにしても、マジでスゴいぜ。いつもはテスト見てもわかんねえからヤマカンだったりすんのに、今回は見た瞬間にわかる問題が結構あるんだもんな。エスパーにでもなった気分だぜ」
「それはよかったね。気持ちも楽だったでしょ?」
「そうだな、過去最高の気楽さだったぜ。まあ、でも基本問題しかわからなかったけどな。後半の大問はほとんど白紙だったし」
「そうでもないみたいだよ」
俺のテストを指さしながら夏子が言う。
「この大問、今回飛ばしたプリントからの出題だけど、ちゃんと最初の基本問題は解けてるよ」
「マジか!」
「うん、マジマジ。こういうところもちゃんと取れるのは、きちんと基本が身についてる証拠だね」
「おお!」
何か俺、メチャメチャ頭良くなったみたいに聞こえるな!
夏子はと言えば、急に黙ったかと思うと何かを考えこんでる様子だ。
「うん、決めた!」
「うおっ!?」
「秀ちゃん、同じ高校に行こ?」
「ああいいぜ、同じ高校な……って、お前と同じって、西高かよ!」
「うん」
にっこりと夏子がほほえむ。
「いやいや無理無理! あそこって県で一番頭いい学校じゃん! 天才しか受からないだろ!」
「そんなことないよ。どうでもいいけど、頭がいい学校っておもしろい表現だね」
「ホントどうでもいいよ! とにかく無理無理!」
「いや、できるよ!」
「うおっ!?」
急に立ち上がった夏子に、俺は思わず尻もちをつきそうになる。
「私、決めた! 引き続き秀ちゃんに勉強教えて、いっしょに西高に行く!」
「えっ、ええええ!?」
「秀ちゃんは、私と同じ高校、イヤ?」
「いや、そんなことは全然ないけどさ、そりゃ俺だって行けるもんなら西高に行きたいし」
「じゃあ決まりだね!」
夏子がビシッと俺を指さす。
「それじゃこれからも、引き続きよろしくね」
「は、はあ、こちらこそよろしく……」
何だかえらいことになってきたなあ。今から勉強して間に合うもんなのかよ……。まあ、引き続き夏子に勉強教えてもらえるのはありがたいけど。
「あ、そうだ」
「うん、何?」
小首をかしげる夏子。
「まだ言ってなかったからさ。サンキューな、夏子。おかげでテストもいい点取れたし、大会にも無事出られそうだぜ」
「ど、どうしたの秀ちゃん? 今さら水くさいよ?」
「いや、実際助かったからさ。これからもよろしくな」
少し顔を赤くして、夏子はうなずいた。
「うん、これからもがんばろ!」
「おう、頼んだぜ、先生!」
よっしゃ、何だかよくわかんねえけど、やってやるぜ西高受験!
終わり
皆さん、ここまで本書に目を通していただきありがとうございました。これにて「超ズボラ勉強法」は本編終了となります。
本書でも何度も繰り返してきましたが、まずはとにかく実行してください。そして、それを必ず続けましょう。そうすれば、ストーリーパートの主人公のように必ず成績が伸びるはずです。
また、本書では非常に細かく動作を指示していましたが、実際にはある程度調整をしてもらっても構いません。1問あたりの解答時間や復習の間隔、1セットの区切りなどは、自分がやりやすくなるように調整してもらえればと思います。
もし反響があるようであれば、以前もお話した通り、今後はより具体的な学習法などについても言及したいと考えています。もっとも今のところ反響はないのですが(笑)。
本書は「超ズボラ勉強法」について詳しく解説したものですが、KADOKAWAさんはN高やN塾など教育コンテンツにも参入していますので、勉強法や参考書などは非常に企画しやすいと思います。まあ、それも本書が書籍化されればの話ですが(笑)。
何はともあれ、本書はこの通りに実践してもらえれば必ず効果が得られる、現時点で最も効果的であろう勉強法です。より多くの人の目にとまって、成績アップの手助けになればと切に願います。
それでは、ここまでご愛読ありがとうございました。皆さんの学習の手助けになれたのであれば幸いです。
人生を変えろ! 必ず成績が伸びる「超ズボラ勉強法」 炊き立てご飯は冷凍保存 @purple-rabbit
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