に
はいいろの海と空を見たあと男の子は驚いた話をしてくれた。
その話では病院からあまり出たことがなさそう。
「…それでね!その看護師さんたち双子だったんだよ!驚きじゃない?」
「あの、あなたは何歳…なんですか?」
「あ、敬語じゃなくていいよ!
僕は19歳!君は?」
「私は17歳です。あ、17歳…だよ?」
敬語が抜けなく少し恥ずかしかった。
年上か。なんとなくそんな気はしてたけど少し照れくさい。
「あっ、お茶 飲む?」
「お願い します」
のどが渇いていた。
「あの、私どのくらいねてま…寝てた?」
「んー、僕はここに運ばれてからしか知らないけど1日は寝てたよ?」
そういいながら淹れてくれたお茶を見ると。
「はいいろ」だった。
「これは何茶?」
「麦茶だよ!あ、そっかごめんね。」
「色教えて欲しいです…目になってくれるって言ってたでしょ!そうだ!わからないからいろんな色教えて!」
「いいよ!やっぱり落ち込んでるより笑顔の方がいいね。」
それから彼にたくさんのものの色を教えてもらった。
「これは?これは?」
と聞く姿は保育園児のようだったはず。
でも彼は一生懸命に答えてくれた。
その甲斐あってか私は一週間くらいで灰色の濃淡で色を見分けられるようにまで。
でも世界はずっと漫画の中のような色で満たされていた。
私とあなたと時々ナースさんやお医者さんが入ってくるような病室であなたに惹かれるまでに時間はかからなかった。
外出許可が出た時は私の手を彼が引いて
くれて窓から見える海を見に連れてくれる。それがすごく好きだった。
「僕は小さい頃から入院しては退院してって続けてたからこんなに仲良くなった人はあまりいないんだ。病室が同じになる人もみんな同い年くらいの子はいないしね。 」
「私と仲良くなれてよかった?」
「もちろん。いつか同じ色のこの海を見せてあげたいな。」
「わたしも。」
私は言ったあと少し恥ずかしくなって顔が見れなかったけど同じ部屋のピュアボーイにはわからないんだろうなあ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます