第6話「日本人Part2」
暫くベッドに横になってから、着替え等をキャリーバッグから出し、持ってきたPCをインターネットに繋げる為の設定をする。
「你好(こんにちは)」
突然開けていたドアの方から声がした。顔を向けて確認すると二人の年齢の近そうな男性が二人立っていた。見た目から察するに日本人だろう。
「あっ日本人の人ですか?」
「えっあっそうです。えっ貴方も?」
えってなんだ。私はどこからどう見ても日本人だろう。
「ははは、私も日本人です」
「おおー初めまして、俺M、こっちはKです」
どうも、とKが会釈する。初めまして、と返事を返した時にMの足元にサッカーボールがあるのに気付いた。
「ああ、サッカーしに行くんですか?」
「そうなんですよ、よかったら一緒にどうですか?」
まあ、それぐらいなら…と二人についていくことにした。因みに私は運動という運動全てにおいて不得手だ。得意と呼べるスポーツが何一つない。どうでもいいことだが。
「えっと、二人は何歳ですか?」
「俺は21です」とM。
「僕は20です」とK。
「ああ、じゃあ俺とMは同い年だね」
「えっそうなの!?絶対年上だと思ってた!」
「僕もそう思ってました」
「ははは、悲しいかなよく言われるよ、Mは何処から来たの?」
「俺は東京から!○○大学なんだけど、知ってる?」
「えっ」
知ってるも何も…MARCHじゃないか…
「え、ああ、うん、聞いたことあるよ。で、Kは何処?」
「△△大学です。多分知らないと思うんですけど…」
「えっ」
「えっ?」
「俺も…△△大学なんだけど…」
「えっ」
何が起こっている。ここは中国だぞ。なぜ同じ大学の人間が三人もいるんだ。聞いてないぞそんなこと。
「あれっ俺仲間はずれ?」
Mが困惑する
「いや、でも俺ら初めて会うよね?」
「そうですね」
「そうなのかー」
Mが少し安堵した表情を浮かべる。別に大学が違うからと言って村八分になるわけではないだろうに。
そこから三人で暫くサッカーのパスの練習をしながら情報交換をした。二人は既に今日受付を終わらせていたので手続きで必要なもの、宿舎の中の様子を教えてもらい、私は代わりに大学の中のお勧めの店を教えた。
30分ぐらいだろうか、明日も早いので宿舎に戻り二人とは別れた。部屋に戻るとLは既に部屋の中にいた。
それから私はLに二人から聞いた手続きの方法について伝えた。取り敢えず明日Sを連れて一緒に行こうという話になり、LとXは私と違い大学院の学生でここに留学してきたことも知った。私は一年の留学だが二人は院生として二年間此処に留まることになる。
明日はは早いのですぐ寝ることにした。きっと明日は手続きで忙しくなる。ちょっと予想していたスタートの仕方と違うが、これもまた一興だろう。
きっと明日は美しい欧米の女性に出会えるに違いない、そう心の中で期待を膨らませながら私は眠りについた…
日々、旅人 haru.haru @12c8050
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