俺と俺の俺合戦

博徒ゆうり

第1俺 人類滅亡

俺には死ぬほど過去に戻りてぇ、てかやべえ事がある

なにか?それを話すのはなげえから悟っていきやがれ

はやくしねえとまた今が変わっちまうんだ

会ってフルスイングで殴らんと気が済まんヤツがいる

誰ってか?




2013年5月19日 午後23時16分

「え?」

「いやー、ですから何度探しても見つからなくてですね、」

「ええええええええええ!!!!

「おまっあれ、けっこうな額が、ちょっ、おまああああああ」

「そう言われてもですねぇー・・・」

給料だ。

必死に汗水垂らし見ず知らずのおばはんのクレームに耐え、

挙句油まみれのポークビッツ野郎のイビリを食らい、

耐えて耐えて耐えて耐えて吐血するくらい耐えて手にした


給料だ。

金額にして13万

いや、俺にしちゃ大金なんだわ

13万だぜ?

うまい棒何本買えると思ってんだ。

そのはんぱじゃねー金額をだ。


それをお前、

一夜にして無くしたわけだ

日ごろ頑張ってる自分へご褒美として居酒屋行って

鳥のから揚げと春雨サラダでちょびちょび呑んでたんだ

しかも一人だ。

うるせー、友達いねーんだよクソが

そしてお会計に向かった

そしたら無いんだよ。


カバンも財布もタバコもジッポも夢も希望も明日への期待も・・・。

ちくしょおおおおおおおおおおお!!!

犯人は分かってんだああああ

俺だ!

そう、俺だ!

いや違う。現在の俺じゃない。

きっと過去か未来の俺だ


・・・うん、まぁ意味わからんだろーよ

だがちょっと待て

今、説明してる場合じゃなっ・・・


「お客さん、本当に持ってたんですか?財布」

「持ってたわ!今すぐ監視カメラを見ろ」

「まぁまぁ、とにかく警察呼びますんでね」

「ちょちょちょ、待とう!ちょっと待て。あのーあれだ

いいから!警察とかそんなんじゃないじゃん」

警察にどう説明しろと?


「いや、どう考えてもそんなんだろ!本当は持ってねーんだろこの食い逃げがあ」

「うわばばばばば」

俺は逃走を決め込んだ

「待てこらああああああああ!!!!」

・・・はぁ、なんでこうなんなきゃいけねえ?

ちくしょおおおお!

まぁ、いい。一回部屋に帰ろう。

部屋に帰り今日の朝に戻るしかもう方法はねえ


そして、逃げること一時間。

あの店員くそ早え。

獲物を狙うチーター並みのスピードで

さすがの俺も気分はシューマッハ。

うし、まずは今日の朝に戻る。

え?方法?

今やるさ。

まずは、今日の朝何をしていたか

俺は手帳を開いた。

7時50分起床。

現在の時刻0時27分

まずは時計を起床時間の3分前に戻し布団の中に戻った。

ちなみに朝着てた寝巻きじゃなきゃならねえ

そして、3分待つ。


ジリリリリリリリリリ!!!

目覚ましの不快極まりないクソでけえ音で身体を起こす

7時54分 テレビをつけ13分見る。

そして俺は今日の朝見たニュースを録画した同じものをまた見出す。

そしてテレビを消し、

8時10分 台所にて朝飯である卵かけご飯を作り食す

まぁ、分かった人もいるだろうが説明する

今日の始まりの行動をこなすのさ

一分も間違っちゃいけねえ

そうしなきゃ条件が狂い発動しないんだなコレが

そして最後

8時40分 家を出る

俺は腕時計を確認しながらドアノブを回し、外に出た。

ふん、こんなもんよ。

なんらかわらない、一日の始まりに戻った。

証拠として外は明るい上にちゅんちゅんと小鳥がナイスメロディーを奏でてる

だが、ここで勘違いしてはならねえ。


今日の朝に戻ってきた現在の俺は今日の俺ではねんだ。

要するに今日とゆう24時間に2人の俺が存在するわけだ。

だから、現在の俺は0時27分から今まで存在してる。

戻ってきたってだけで過去の俺も、現在の俺も、未来の俺も存在してんのさ。

だから、例えば戻りてぇーなんて言って

3回繰り返し過去に行くとその一日で4人の俺が存在することになる

まぁ、あんま理解できねーだろうな

説明苦手なんだよ、言わせんな恥ずかしい

あれだから、クレーム来ても対処しないから

作者に言え、そんなもん。俺は知らん!


おっと、そうこう説明してる内に過去の俺が仕事に向かってったな。

どんだけにやけてんだ俺。どんだけ給料日うかれてんだあの野郎は

何時間後かに盗られるともしらねーでなぁ!!

スキップしてんじゃねえええ、むかつくなちくしょおお!

んな事ぁ言ってる場合じゃねえな

とりあえず未来の僕ちゃんをしばきに行かないとね

玄関に張り込みおっけえーい!

3時間後。

おせえ・・・待つって事だけで10分が長く感じるっつーもんなのに

終わりが見えないこの待つとゆう行為は永久とゆう言葉以外見つからねえ


「は、腹減ったぁぁぁ」

うおお!びびったぁぁ!!

な、なんであのダンボールと共に過ごしてそうなヤツが俺の家から・・・!?

「ここは・・・過去? そ、そうかやっと成功したんだな」

おいおい。冗談だろ?


ありゃ、俺じゃねえか

その未来verの俺らしきやつがこっちを向いた。

「・・・お前は?今日のお前か?それとも過去か?」

「この日の夜の俺だ。お前からすりゃ過去になるな」

俺は答えた。未来の俺へな

「そぉーかー。見ちまったな?未来はお前こんなんだぜ?」

「おうおう、へこむなぁーちくしょー 何がありゃそうなるよ?」

未来の俺は少し俯き、そして喋りだす。

これからさ迷う広い広い時空間の旅の

赤切符となる一言を・・・



「人類滅亡だ」

「・・・え?」

「いや、だから人類・・・滅亡」

「・・・うん、え?鉄棒?」

「滅亡」

「え?節子?」

「滅亡だっつってんだろ!!!」

「ええええええええええ!!

嘘だろおい!ノストラダムス来たか!どんだけ遅刻してんだよおい!」

「ちげえよ!そしたら俺生きてねえだろーが!」

「ちょ、な、え?いや、おまっ、まじで?」

「今何年?」

「? 今年で2013年」

「そーか。じゃあ、後27年後だ」

「・・はぁー。俺はだな、ねえ!俺はねぇー

財布をねー?財布を取り返しに過去に来たってのに

なんでかなぁー。なんでこんな話に・・お前・・・はぁ」

「・・・まぁ、言いづらいがそのことがきっかけだわ。

人類滅亡のね?うん」

俺は首を垂れながら話を聞く。


「まぁ、なんだ。その滅亡ってのはな。爆発やらゾンビはんぱねーだ

そんな事ぁねんだ。

人類が消えるっつーこったな!

結果、人類滅亡やん?って事で言ったが」

「人類が消える?なんで?あれか?細菌テロ的なもんか?」

「いやいや、それよりもっとタチ悪ぃよ」

「じゃあ、核でドーン?魔王降臨?」

「魔王はまずねえわ


・・・一人の男さ。

そいつはよぉ、もう生きるのがいやになっちまった。

なんでこんな苦しい思いをしなきゃならねえ。

そうさせたのはこの世界じゃねーのかって

怒りの矛先を世界に変えちまった。

そしてそいつは人類を消そうとした。

人類の過去を無くしちまった。

人類が生まれるその芽を摘んじまったのさ」

「・・・は?意味がわからん。どうやって?」

「過去に戻ったのさ。遥か前のな」

「・・・え?」

「分かるよな?過去や未来を自由に行き来できるやつ・・・」


空白の中ひとつの答えが生まれる

声に出し、そして問うことが怖かった。

そしてすでに見つかってる答えが答えになってしまうのを怖れながら

外れることを願い、

怖れると同時に強く、どうしても知りたい

その好奇心が勝った。

「・・・お、俺か?」

「そーゆー事だ。俺、つまりお前だ。」


当たっちまった。分かっちゃいたが、

喋れなくなった。だってそーだろ?

このゆるゆる展開からのだぜ?

財布取り戻しに気楽に戻ってきた朝に

どでけーミサイル家にぶっこまれた並の話されてんだ。

思考停止ってか。いや、思考メルトダウンだこれは

いろいろな想いが入り乱れスクランブル交差点万歳な

頭ん中で出てきた一言・・・。


「焼肉っ・・・食いてえっ・・・」

「・・・うん、え?」


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俺と俺の俺合戦 博徒ゆうり @youch9

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