Act 1 It’s all about the journey.
《Loading……》
Program No. 1287
《name》
Recapture
《name/》
《System》
・Shield……All green.
・Status……All green.
・Launch pad……All green.
……All green.
《System/》
《Loading……/》
Fire.
急激に身体にかかるGで、僕は作戦が開始されたことを理解した。”第千二百八十七回”災火探査。それが僕の参加させられた作戦の名前だ。作戦ということすら躊躇われるコレで僕達に与えられた任務は只一つ。
『災火内部に突入し、クリーチャとシュトロムの因果関係を調査すること。』
戦技の教導データに刻み込まれた
『可能な限り多くのクリーチャを破壊すること。』
というプログラムに僕達の行動は制限されている。僕達が逃げ出さないため、人間が一秒でも長く生きるための措置。クリーチャに僕達の浅い歴史を食べさせて壁とする…それだけで人間の生き延びる時間が増える。僕達はそのために産み出された。悔しい、とは思う。どうして、とも。
身体がポッドに押し付けられ、ガタガタとけたたましい音が鳴り響く。ぐにゃりとした肉の感触を背中に受けて歯を喰い縛った。一瞬大きな音が鳴ったと気づいてしばらくすると身体が先程とは真逆の状態へと移行する。強い浮遊感と若干の目眩で自分が空を飛んでいることを理解した。
僕達が空を飛んでいるのには理由がある。僕達は災火を調べるために行動するのだが、六年、という月日の間に80km程最前線を押しやられてしまったのだ。僕達がもし徒歩で災火まで歩こうと思うとそのまま80kmという膨大な距離が立ち塞がることになる。僕達の肉体は強化されていて滅多に傷付くことは無い。でも僕達の浅い歴史ではクリーチャと接触した場合30秒と耐えられないらしい。だから人間はカタパルトの用法を用いて僕達を飛ばすことを考えた。僕が憎んで止まない人間の最後のバックアップだ。
冗談じゃない。
僕達のバックアップだって?元から盾に使うつもりでしかない癖に?帰る時は?歩いて帰れっていうのか?僕達が格納されるポッドもホムンクルスの死骸を練っただけの物じゃないか。
じょおおおおおおおだんじゃない。
僕は死にたくない。武器がなくたって、火で皮膚が焼けたって生き延びる。何を使ってでも。絶対に。生き延びる。
ずしりとした衝撃の後に、ゆっくりとハッチが開いた。
地獄が、ソコに広がっていた。
Dived by replicater ハルにゃ @eden-s-berry
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Dived by replicaterの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます