ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。

作者 木本雅彦

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★★★ Excellent!!!

ダウン症のこどもたちを診ています。
生まれた瞬間からお相手をし、親御さんにダウン症の説明を行い、おうちに帰ったあとも長い長いお付き合いをしています(ついでに言うとダウン症の研究もしています)。

当然、お母さんたちの質問にはできる限り答えなくてはいけません。合併症について、遺伝子や染色体というものの成り立ちについて、…などはそれなりに正確に答えられますし、またバリエーションに富んだそれなりの数のこどもたちを診ていますから、正解なんてないと思われるような疑問にも、おそらくは大間違いではない答えをすることができます。

…が。
自分自身が24時間、それこそ育児そのものの常として、寝ても覚めても、平日も週末も、いっしょにいるわけではありません。なのでどうしても分からないところ、肌で感じられないところが出てきます。さらには就学、就職となると、保健師さんでもないのでもうお手上げです。
でも、親御さんの質問には答えてあげたいし、何か力になってあげたい。また分からないままでおいておくのもなんとなく気持ち悪い。そこで、そのようなちょっとしたすき間をうめるために、本やブログなどに目を通すことが多くなりました。ところがこれがまた…

ダウン症関連の本は見事に真っ二つに分かれます。
堅くって、ガチガチで、「いったいこれ、だれが読みこなせるの?」みたいな教科書みたいなものと(なぜかそういうのを買ってしまってあとで後悔します)、あとは日々のただの日記のようなものと。

そのような中で、この作者が書かれている文章はじつに読んでいて味があります。なにかを考えさせてくれます。
朝日新聞の夕刊で、大竹●のぶさんの文章を読んで心からがっかりしたあとに、三谷幸●さんの文章に「さすがはプロのもの書き」と満足するのとよく似た感触というか。「ああ、なんだこれ。じつにおいしいじゃないか」と孤独のグルメ的に満足すること… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

ダウン症といえば、だいたいはどんな症状を呈するものなのかは、私は良く知っているつもりだ。(※私の兄が重度の知的障碍者であり、その関係でできた横の繋がりにたくさんのダウン症の方がいたからだ)

ダウン症と一口に言っても、そのステータスが千差万別であることも知っている。個人差が如実に表れる(ように見える)障碍だからだ。

だが、正直に言えば、その「家族」がどんな「工夫」をしているのかまでは(知っていそうで)知らない。子どものために学び、未来を逐次修正し、子どもと共に成長していく……と、書けば簡単なのだが、その描写数行に込められた実態は、もっともっと激しいものだろうと推測できる。そこを敢えて淡々と書いている所に好感が持てる。

本エッセイ、現時点ではまだ成長過程である。どのように成長していくのか、興味深く見ていきたいと思う。



★★★ Excellent!!!

愛を持って子育てに取り組んでいるのであろうことが、こちらももう一作からも伝わりました。私も、育児エッセイを子どもとの日々だけでなく、より立体的に俯瞰して書いていこうと考えてカクヨムで書いています。まさに、文学的な要素もあるエッセイという意味で。共感する点が、多かったためレビューさせていただきました。今後の展開にも期待です。