第3話


僕は確かに小さいころから体が弱かった。

けれどまだ小学生のころはそれでも無邪気に外で遊ぶことが結構あって、

その日もいつものように外で遊んでいたんだ。


子どものうちはあっという間に時間なんか過ぎて、その日も気づいたら17時を

あっという間に迎えていたんだ。

さて帰るかと思った時にいきなり大粒の雨が落ちてきた。

子どもながらにやばいと思って急いで帰る支度をしてみたけれどそこからすぐに

大雨となって降り注いでしまった。


時期は4月になったばかりで、まだまだ雨を伴えば冷え込む時期だった。

幸いにも着替えで持ってた長袖を着て念のために持って行けと親に持たされたコート

のおかげで僕自身は全く問題がなかった。


「あーあ、しばらく帰れないかー。」

とつぶやいた後に、雨のせいでぼんやりとだが動く影見えた。

よく目を凝らしてみるとそれは僕と同じくらいの人影だった。


最初はぬれちゃうなーくらいにしか思っていなかったけど、

ピクリとも動かない人影を不審に思い僕は半分の好奇心も相まってそこへ行った。


そこには僕より少し小さな女の子がバレーボールを抱えて佇んでいた。




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桜雨 鍋井 沙希 @POP

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