うちの体重計が間違っている説について

 21日の夜に投稿した、「ホテルに体重計を置くのは絶対に間違っている」(https://kakuyomu.jp/works/1177354054881038781/episodes/1177354054892396043 )

での俺の体重は99 kg。


 この日の朝、乗るだけ乗ってツイッターに送られてなかった体重が記録されていた。


2019年11月21日 08時01分の測定結果

体重:95.50kg

体脂肪率:31.10%

筋肉量:62.40kg

体内年齢:46歳


 なんぼなんでもこっから4.4 kg増えないでしょ。どこに入るんだよ。しかし翌日(前回)も98.6 kgとなっていて、連続性のある記録であるから、なんというかこの一回がバグだったとも思えない。となるとこれ、どちらかの体重計の値が「正しく」て、どちらかが「間違って」いることになる。


 それはどっちだろうか、ということを検証するためにも、まず23日の記録から書くと、朝は早起きして朝食バイキングを全開でやった。22日の朝も結構食べたけど、ちょっと午前中に予定があったもので、あんまのんびりできなかったのだが、23日はまあ11時くらいまではやることないことが決まってたんで、居られるだけ居てやろうと思ったわけである。


 そんでまああるもんは一通り食べて、あと結構人がいてなかなか手が出せなかった「バルミューダのトースタ」を試してみた。


 ところで俺がもしバルミューダの営業だったらどうするかというと、各種ホテルにバルミューダのトースタと、なんか激安どうしようもないトースタを同時に納品するか、土日に絹艶かなんかを送る。というのは、たんにバルミューダのトースタだけあっても対照が出来ないからである。


 あのー、確かにうまい。うまかった。そうなんだけど、まず何しろ置いてあるパンがフワッフワというか、「こんな厚く切る?」ってサイズの食パンなのに、ぜんぜんなんか焼かなくても無抵抗で噛みちぎれちゃうみたいな「良い」食パンなので、これ別に何で焼いたってうまくねえか? って思うわけ。でもそこで、横に激安トースタがあってだよ、実際同じ時間焼いてみたら、「ウワーバルミューダの方がトライアングルーー!」みたいになった場合、バルミューダへの憧れが募っていつか購買行動に繋がるのではなかろうかと思う。同様に、普段食うようなパン、別に絹艶マズイって言ってるわけではなくて、美味いと思うけど、その、そういうのも置いといたら、「普段食べてるパンが、これで焼いたらこんなに次元の違ううまさに!?」体験もそれはそれで出来るわけで。


 って話でもう1000字になってしまったが、

皆さんはもう俺の主張をご理解頂いたと思うし、このまま続けても俺がバルミューダの営業担当に突然なることはないと思うので、もうやめます。あと出先でならともかく、家で毎朝あの5 ml水カップを取り扱うのは俺には無理だ。


 とにかくそんなで、朝飯はいいだけ食べた。ほんでちょっとなんか謎のリフトに乗ったり、ポケストップを探したり(そういえば、サニーゴはゲットできなかったので、必ずもう一度行く)して、観光に向かう。


 宮古島の近傍には4つの島があって、そのうち3つは橋で繋がっている。1つは大神島って、その名の通り神域だそうで、船じゃあないと行けないようであるが、他は車で行ける。ので行ったけど、これはゼルダの伝説ブレスオブザワイルド(botw)がすごいのか宮古島がすごいのか分からないところだが、とにかく、「うわーbotwじゃん!」って思いながら回っていた。すげーんだよ。海岸沿いは基本的にマングローブ的な木が生えてるんだけど、池間島に向かうところにガチの湿原とガチのマングローブ林があって、「急〜〜!!」と思う。急に熱帯になるっていうか。行ってくれ〜〜頼む。行けば分かる。とにかく「急」。で、こんなとこ行ったら確実になんかイベントあると思うでしょう。あんのよ。めちゃくちゃな量の生命がいて、これがね、最初はわかんないわけ。ところがあるところで、あっアレ蟹か!? って認識した瞬間から、ありとあらゆるところに蟹だのなんかイモリかなんかそんなやつだのが存在することが分かる。あー今俺の認知機能が組み変わって行く〜〜!! V5が活性している〜〜〜!! 言うなればちょっと頑張りゲージが延びたようなもんですよ。そんで、マングローブ林に生物がめちゃ住んでるから、このウゼエ木を退ければ高く売れるエビ取り放題じゃん、と思ってしまう気持ちもわかるし、それによる自然破壊は防がなくては……という気持ちにもなるので、情操教育にも良いと思うんだよね。


 情操教育といえば、宮古島って電車がないんですよ。基本車社会だと思う。で、墓は前回書いたけど特殊な形状で、家の門には普通にシーサーがいる。校門にも当たり前のようにシーサーがいる。


 で我々はもう常識があるわけだけど、小学生って常識ないじゃあないですか。そんで、だから、「門扉にはシーサーがいる」「電車がない」「墓といえばアレ」「マングローブ林は生命の宝庫で、遠足の時蟹を取ったがいいがうまく育てられなくて殺してしまう」あたりが「あるある」「常識」として育つわけじゃあないですか。いやもちろん俺もちょっとズレてて、たとえば「餃子といえばみよしのですよね」とか「正月と言えば口取りっすよね、アンコでできた」とか言い出して「あ? 何言ってんだこの蛮族」ってしばしばなるわけだけど、その差がよりデカイというかね。いや別に差は無いべきとかはぜんぜん思わないし、あった方が面白いに決まってるのだが、その「常識」を持った状態でですよ、たとえばなんかドラマを観ますと。金八先生とか。そしたらさあ、そのドラマの中で出てくる学校、桜中学校でしたっけ? には、校門にシーサーがいねえわけ。そしたらやっぱ「なんか違うなー」って思うでしょう。電車の中で不良がなんかしてて、それに毅然と注意する存在の話とか聞いても、「そもそも電車とは?」みたいになるわけで、つまり、ちょっとズレた世界における「あるある」の話を見聞きしながら育つことになるわけでしょ。このギャップ意図的に無視したまんがタイムきららみたいな話が読みたいなって思いました。絶対にあると思うんだよな。


 一応理想の話をすると、「外部の視点に対する説明的表現」は極力少なくあって欲しいですね。本人やナレーションすら、俺の文化とは違うことを常識としていて欲しい。だからその、俺が今「餃子といえばみよしのですよね」(みよしのは道内のチェーンであって、道外にはあんまないので、実はこれは道民あるあるなんですよ〜〜おっもしろくてユニークでしょ〜〜!!)って言うのはもうツマンナイじゃあないですか。知らんで言ってる時は多少面白いかもしんないですけど。そこ。そこなのね。そこをピッタシ突いてる話とかあったら教えてください。


 でまあウロウロして、昼は中休味食堂ってところで「そば」を食い、このそばが、俺はベタなかつお出汁のにしたが、同行者は鶏出汁にしてて、これがまあぜんぜん違うのね。ハーなるほどーって感じで、「そば」の概念が分かる感じになるのでおススメ。天ぷらは、衣と具材が全く同量なので、重い。あと麺つゆじゃなくてソースをつけるようになってて、不思議な感じなので、100円分は頼んどくと良いと思います。野菜でも魚でも。2つ頼むと多いぞ。多分。


 あとサトウキビジュースを飲んでみたり、通り池ってところでマグナキャッチで宝箱を引き出したり、爆弾を投げ込んでコログを見つけてみたり(フィクションだけど、マジでbotwだったらなんかあんなって所が無数にある。ただアイテムが現実には手に入らないところが現実のマイナス点。広さでは現実が勝つが、広いことが良いこととも限らないわけで、トータルで言えばbotwやってる方が良質な体験を出来ているような気もする。宮古島を相手にこの感想なんだから、botwはとんでもないゲームだと思う)、なんかかんか間食を食べつつ島をほぼ一周して、夜は市街地(平良)で飯を食うことにした。


 ほいで、「君の知らない沖縄料理」( https://kakuyomu.jp/works/1177354054881893828/episodes/1177354054881893851 ) という話? エッセイ? をかつて書いたのだが、この店で働いてた人が宮古島に移動したのね。それで、まあ連絡取ってみたら、休みだから今働いている店で飲もうということになって、それでもせいぜい半年振りなのだが、いやー久しぶりっすねーってヤギ系の色々を堪能してたら、この麻婆豆腐が出るわけよ。人生の伏線回収〜〜!!!! ウワーー!!!! ってめちゃくちゃ盛り上がってね。どんだけ飲んだか久々に覚えてないくらい飲んで、気絶して。


 翌朝はファミマ(そうそう、宮古島にはファミマしかコンビニがない(たぶん)ので、その点も「常識」の形成に一役買うと思う)でチキナー弁当だったかを買って食い、昼は名残を惜しんでポーク卵握りを食べて、で北海道帰ってきた。近くで働いてる知人には即座にお土産渡して、そのまま辛いラーメンでも食おうかと思ったら店休、あー北海道だしスープカレーかなと思ったら店休で怒りのあまり大将で肉チャーを食って、帰るや否やとりあえず寝た。


 だからまあ結構食って、移動はほぼ車と飛行機、仮に行きの飛行機でなんかがあってむくみが発生したとしても、同時間飛行機乗ってるんだから同じこと、という状態で体重測ったらですよ。前回が98.6 kg in 宮古島ね。


2019年11月25日 02時00分の測定結果

体重:95.05kg

体脂肪率:30.10%

筋肉量:63.00kg

体内年齢:44歳


 信用ならねえなあ。これは。嘘だろ。


 でまあだからどっちかが「間違っている」のは確実なわけだ。どっちだ!? と考えた時に、先日話したホテルに体重計置くのは間違ってる論に従うならね、こっちは通常接待モードにすると思うのね。やるなら。敢えて間違うとしたらよ。つまり、軽く「見せる」ことによって、観光客を安心させ、カネを落とさせる方向にチューンすると思うわけ。さらに、このホテルは今年2月だかにオープンしたそうで、そう考えると体重計自体も新しいはずであって、劣化度合いはウチの方が明らかに高い。


 となると、これ……間違ってるのは俺の体重計……なのか……?


 今までやれ80 kg台が見えてきたとか、少しずつ減ってきたとか思ってたのも、全部うちの体重計が俺に気を使って見せた幻であって、本当は「世界」の方が正しかったみたいな。そのことに俺は気づけていなかっただけなのかもしれない……。


 まあいいよ。俺はこの体重計ちゃんだけを信じる。たとえそれが世界にとっては間違いだったとしてもな。それを愛と呼ぶんだろ?

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