ホテルに体重計置くのは絶対に間違っている

 冷静に考えてみて欲しい。今一度省みて欲しいんですよ。

 ホテルに泊まるというのはどういうことかというと、居住区から離れたところに来ているということじゃあないですか。で、居住区から離れたところに人が来る、というのはこれビジネスチャンスなわけですよ。ビッグ・サクセスの予兆なわけよ。


 どんなサクセスか、というと、居住区であればキッチンであるとか電子レンジであるとかそういうものがあるので、何も外食せんでも、もやしと米だけ買って食えばそれでハッピーみたいにもできるので、その人間が一日使うお金は30円くらいにしかならない。ところが、外でそれはできない。定食30円ね! アイよ! って店あったらまあ通……いすらしねえかもしれないな。怖いし。


 とにかくないし、あっても怖いし、となると必然もっと高い店で食事をすることになる。しかも、それもその、せっかく居住区から離れたところに来たのにマクドナルドなどの全国展開チェーン店に入るのもどうか? って思うと、これは地元に金が落ちる。地元感と集客力の関係は多分逆U字曲線を描くと思うので、完全に「地元」になってしまうとそれはそれであれだが、程よい地元性の店は繁盛すると思われるので、地元にとって良い。そうでしょう。こんな長々説明しなくても皆さんにとってはわかりきったことだと思うが、俺の泊まったホテルはどうやらこんな簡単なこともわかっていなかったようなのだ。


 つうのはね。



 このホテル、部屋に体重計があるんだよ。



「なぜ体重計に乗るのか?」

「そこに体重計があるから」

 なんてな有名な問答があるくらいで、体重計があったら乗るでしょう。乗るまではじゃあいいよ、百歩譲って許そうじゃあないですか。でも地元で金を落として、体験、体験が生み出す精神的価値、そういうことで一日やってきた人間がよ、体重計に乗って御覧なさい。どういうことになるか分かるか?


 99 kgになるんだよ!


 これは人類全員そうだからな。ホテルで体重計に乗ったら体重は99 kgになる。異世界転生したらLv 99から始まるのと全く一緒!! 


 まあ一緒ではないよ。分かっちゃあいるけどよ。

 99 kgか~~~~~おいここんとこ95 kg台で来てたろ~~~~~~「あんま運動とかしてないしそこまでガツガツにめしのことは気にしてないが、レコーディングしている手前間食を控えるようにしただけでわりと減るなー、減るっつっても前の水準から言ったら十分多いが、でもまあ、この調子でいけば80 kg台見えるところまでは年内いけるかな~」とか思ってたろ~~~~! え? それは思ってない? いつかこうなることは分かってた?

 俺は思ってたよ。今となっては恥ずべき告白である。


 ハーア。昼はソーキ蕎麦いなりセット、夜はなんか色々、サケタルタルソース、マカロニ、スペアリブ、手羽、ソーキ蕎麦を探しに行こうagain、ドラゴンフルーツ、豆腐(ジーマミー豆腐かと思ったら普通の豆腐だった)を食べた。あとオリオンビールと泡盛はかなり飲んだ。とはいえ。とはいえ一挙3kgってほどは行ってないつもりだったんだけど、行ってたんだねェ……。


 ただあの、これあのもう一回このネタやったかもしれないけど、天地神明に誓ってどっちがどっちだったか忘れてたのでもう一回やらせてください。


 タニタの体重計って、体重測るときにですね、「居住地」を聞かれるんです。なんでそんなこと聞くの? って言うと、なぜならそれは地球の重力の掛かり方が緯度によって違うから。なんでかは知らないよ。M理論とか……なんかそんなじゃないすか……。


 でまあ、とにかく原理はともかく効能は知っていて。そうだそうだ、これは居住地による違い。なんせ3000 kmだか4000 kmだか南下しているわけで、緯度だって結構変わっているはず。あったかいし。そういうことか~。ってググッたら、途中は端折るが、


「南の方がちょっと軽くなる」


 だって。 


 だからね、こういう状況に陥ったら流石に人間は愚かだとは言っても、ちょっと省みちゃうじゃあないですか。とりあえず、ブルーシールアイスはやめとこうかな……とかってなっちゃうでしょう。それは地元に対して貢献していると言えるのか? 観光拠点たるホテルが? いえないでしょう。ダメだって。誰かビジネス本書いてくれ、「ホテルに体重計を置くな!」 とか。「体重計を置いているホテルが潰れる258,001の理由」とかよ。潰れなさそうな雰囲気ではあるけれども。


 というようなことを零したところ、「まあでも、宮古島のモノが5 kgとか身体になってると思ったらいいことじゃないですか? 札幌のモノをだだ身に着けるより」って言われて、なんだこいつ食ったもんを血肉だと考えてるのか? サイコパス? って一瞬思ったが、よくよく考えると確かに悪い気はしないので、だから宮古をちょっとだけ背負って帰りますよ。もういい。知らん。見せてやるよ、桁数の向こう側をな。


 

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