東の塔






  人間の脳みそは

  たった3割しか

  皆使わずに死んでくらしい


  んで

  3割しか使えねー

  みみっちい同士なのに


  ストレスで

  さらに

  機能低下が可能なんだよ



  リアルに

  脳みそが

  ダウンしていく

  あの感覚は


  落ちないやつらには

  解らないだろうな



  脳梗塞やら

  アルツハイマーやら


  脳がアレして

  ダメになっていく途中の


  自分で

  実感できちゃう絶望とか



  ストレスってやつで

  先取り体験ツアーだぜ



  逆に言えば

  楽しめば

  脳はいくらでも

  無限に活性出来る



  3割で生きて

  俺様気取りの誰かが

  何を偉そうに言おうと


  耳をかすな





  今出来ない自分や

  衰えていくものを

  気にするな



  楽しめばいいだけ


  ときめけばいいだけ


  興味を持つ、

  面白がってやってみる


  自分から

  やりたいことを

  やってみる



  大丈夫、

  いくらでも

  脳は応えるぜ





だからわたしは

人を楽しませたいし


苦しんでるひとを

慰めたいし

励ますんだ



くだらない壁でも

苦しいのは一緒


そのストレスが

当たり前を出来なくする



みんなもっと何だって出来るよ





  社会不適合?





  知るか

  くだらねー社会なんかに

  馴染んで埋没してやらねーよ



  俺が一番下にいて

  皆を押し上げてやるんだ





  そんなバカなこと

  壊れたガラクタにしか

  出来ないだろうからな


  これは

  誰が笑ったって

  俺が生きる誇りなんだ





  壊れた脳みそで

  俺なら5割は稼働させるぜ




***




そう言って、

賢者は


かれこれ300年の

永き眠りについた。




______





私は

賢者の塔の番人です



この塔は

巧妙に造られた迷宮、


一度足を踏み入れれば

生きて出ることは叶いません



「さて、道を譲ってもらおうか。お嬢さん」



人類の最高知能を有した

賢者の知恵比べに


誰も


誰も挑んではいけないのです





「いいえ、私はあなたを守るのが務め」



何人たりとも

塔へは入れてはいけないのです





「可笑しな話だ。賢者の眠りを覚ますのを、お前は望まないのか」



番人は

賢者を崇拝しております


彼が選んだ眠りを

何故妨げますか




「その知恵は人類の宝だ。だが眠っていては持ち腐れだろう?」



賢者は

疲れたのです


この世界に




「そうだ。だからこそ、共に変えようと迎えに来たのさ!」







  いつかまた


  馬鹿なヤツが

  デカイことを始めたがるだろう



  ワクワクしねぇか…?





「寝すぎもまた、疲れるだろう。世界の夜明けを創りにいくぞ!」


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