いつもつながれてほえるほかない犬です

いつもつながれてほえるほかない犬です


――種田たねだ山頭火さんとうか





 最初にこの句を読んだときの感想は変哲のない句だな、というものでした。しかし、改めて読み直してみると中々面白い句だな、と思うようになりました。

 山頭火は旅に生きた俳人です。『いつもつながれて』いる犬とは対極の存在だったと言えるでしょう。山頭火は自由に旅を満喫できる自らの境遇と対比して、犬を憐れんでこの句を詠んだのかもしれません。


 しかし、この句はどうも犬の目線に立って詠まれた句のような気がします。もしかすると、山頭火は句作するしか能のない自らを『ほえるほかない』犬に投影してこの句を詠んだのかもしれません。


 山頭火がどんな心境でこの句を詠んだのか、興味のあるところですが、本人に問い質すことができない以上、ここは想像を楽しむことにしましょう。あなたなら、この句をどう解釈するでしょうか。

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自由律俳句を楽しむ 鹿江路傍 @kanoe_robo

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