第2話Aな男

仲とは案外、性格が反対な者同士が良かったりする。彼等もそうである。榎井英介は瀬戸善斗という人間と関わるまで、友人に恵まれなかった。元々穏やかな性格で、あまり前に出る事が得意ではなかった。そんな人間の小学生時代は大抵、勉強が出来るとガリ勉、女子にモテるとスカしてる、運動ができるとクールぶってる。そんな評価を同性からはされてしまう。しかし、瀬戸は違った。決してクラスでは尊敬等はされはしないが、Z級なバカなため、クラスのムードメーカーとなり、空気も読めないため、クラスで孤立させられている生徒にも話しかけてしまう。そのため、彼のいるクラスにはイジメがなかった。それにより救われたのが、榎井英介という人間である。瀬戸と同じクラスになったのは小学校6年である。そしてそれまでの5年間はクラスでいじめられ続けていた。しかし、彼のおかげで6年生の時はいじめられる事もなく過ごせた。そして、その1年間瀬戸善斗という人間を見て、彼が唯一信頼できる人間となった。そのきっかけの話は割合。

「お前その格好で熱くないの?」「いや暑いけど、学校の決まりは守るもんだろ!?ええっ?そんな君は校則違反してるねぇ?ううん?あれれ?優等生君は規則も守れないのかね?夏服はまだあと2週間ありますけど?」「お前プリント読めよ。夏服が強制になるのが二週間後からってだけで、今週からは夏服でも冬服でもどちらでもいいんだよ。頼むから心配させないでくれ。全く同じ事をして、中学の時、熱中症で倒れただろ。」「マジかよ。プリント捨てたわwwてことはとりあえずブレザー脱いで腕まくりすれば余裕だぜ!」「いや俺らの学校は基本的に冬服はネクタイ強制、ブレザー強制のガチガチな校則だからな?それが理由でこの季節になると皆夏服で来るんだからな?」「そっかぁ。俺、今日死ぬかもしれないのか。俺の命の終わりを最後まで見届けてくれよな。」「安心しろ。お前の普段の行動から察して、殴れば冷たくなる氷を持ってきた。キツくなったら何時でも言えよ。」「さっすが!気遣い、学力、顔面、運動能力、幸運、オーラ全てがAランクな男!いよっ!」「幸運はAじゃないけどな。」「は?何でだよ!めっちゃ運いいじゃん!お前」「お前と出会った時点で俺の運は尽きた。」「・・・・・・・・・頼む・・・俺を・・・殺してくれ。」「まぁ、スイートポテトやるから落ち込むなよ。(まっ、お前と出会えたおかげで、こうした普通の日常を送れているという点では確かに幸運値は高いかもな。)」「しかしそんな事はどうでもいい!明日から始まる中間テストどうすればいいんだよorz」

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Zな男 フラペチーノ @Phrappuccino

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