小説を書く人は、自分が他人とは違うことを確認するために書く

 およそ読みやすさや面白さに重みを置かずに書かれた私小説なのですが(作者さんも自覚して書いているとは思いますが)、なぜか最後まで読んでしまいました。それは私にもところどころ思い当たるところがあるからなんだなぁという風に思います。
 自分がいつもどこか世界から浮いていて、周りの感覚に馴染めず、それで何か周りに卑下されていて失望されているように感じる、その居心地の悪さ。これをどこか感じているのであれば、この私小説は決して他人事ではありません。とても共感できる作品でした、つらい思いをしながら書いていただいて、ありがとうございます。

 さてこれからに言葉を添えるなら、頑張る必要もないし、頑張ってもいいということです。自分の傷口の具合と模様を見てため息をついていても、それはそれで別に良いと思うのです。まだ回り道が必要なら、もっと書いてみてもいいと思います。
 ただ、ここまで書いて清算したからには、何か区切りをつけたいと思っているのかなと思います。その心の兆しを大切にしてみてください。やれそうなことを、箇条書きでもいいから書いて、できそうなことから始めてみてください。

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