第11話〜劣等生の一日〜後編

一応、朝言ってた、あれを試してみるか。その一言から今日の昼休みは始まった。

「こいつをこうして…これで、いいかな。」

志貴によって 大体、朝言ってた編成が出来た。だが、僕たちは重大な事を忘れていた。

「あ…対象ダンジョンがねぇ…」

そうである。僕たちはよくこんなミスを犯してしまう。

「今日で似たダンジョンは……無いな。」

裕二がボソッと言った。その一言を聞き、僕はダンジョン予想サイトを見始めた。

「あぁ…明日も…来ないかもねぇ…」

僕もサイトを見て、こう言うしかなかった。

世の中には「思い付いたが吉日」と言うが、僕たちには、吉日でも何でもない。だが、こんな事がよく起こるので、僕たちも学習をした。

「じゃあ…いつも通り 仮想でやるか。」

そう 仮想実験である。やり方は簡単。

誰か一人がそのダンジョンのデータページを出す それを見ながら、全員で協議する。これだけである。

「じゃあ一回層 出現は、デビル×4」

と僕が言うと、協議が始まった。

「ラスト ボスは…」

このボス戦の協議が一番長かったが、結論としては「クリア出来る」と言うので一致した。

そこでまた、タイミング良くチャイムが鳴り解散となった。

その後は何も起きること無く、掃除 ホームルームと続き一日が終了した。

だが、この委員長の一日は終わらない。

この後、塾へ向かい三時間程、大学生の講師とリアルファイトである。本当はこの塾での様子を書きたいが、この委員長いつも、K.O状態なので詳しく書くのは止めておこう。

さて、ようやく家路に着く為ホームに立っているが、既に時刻は22時を回った所。そこから、明日の予習など出来るはず無く、家に帰り着けば晩飯を食い 風呂に入り、泥のように寝るだけである。

勿論、明日も5時30分起床。

無論、体がいつ壊れてもおかしく無い。委員からも、笑い抜きで心配されている。

そして、本人にも自覚症状がある。「最近、いつの間にか涙が出たり、曲を聴きながらいきなり泣く」そうだ。

だが、今は耐えるしかない。そして彼は、最近 寝ながら泣き、酷い日はうなされるそうだ。本人のくしゃくしゃになっているメモを見ると、「朝起きると、家族が誰も居なくなる夢を見る」そうだ。

いつか、この頑張りが報われる日が来るといいが…

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冴えない図書委員長が委員会とクラスでやんわり頑張る物語 零幽 @reyuu

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