畠山七人衆

エピローグ

温井紹春が死んだ後も遊佐続光は生きた。

生きて権力に固執し続けた。

温井紹春が死んだ後、まずおこったのは能登全土を巻き込む壮大な温井続宗の乱であった。

数年ほど続いた乱は畠山義綱方の勝利で終わり能登の権力をまず握ったのは彼だった。

飯川光誠はそんな義綱をサポートした。

義綱が試みようとしたことは大名の権限の強化であった。

だがそんな彼の試みは遊佐続光と長続連と乱によって力を増した八代俊盛によって阻止される。

これらの重臣達のクーデターによって畠山義綱、義続親子、飯川光誠は能登を追われたのだ。

後に能登に復権しようとするも彼等は失敗し没落する。

次いで八代俊盛が遊佐続光と長続連に滅ぼされ

その次に権力を握った長続連も上杉謙信に内応した遊佐続光によって殺されてしまった。

この頃ひっそりと能登に復帰した温井家は遊佐続光と行動を共にする。

上杉家臣として遊佐続光は能登の中心である七尾を支配下に治める。

やがて能登に織田家が台頭し遊佐続光はついに滅ぼされる。

続光の最後については諸説ある。

織田家の降伏を許されず殺されたとする説

続光に一族皆殺しにされた長続連の次男、長続龍がどこまでも追いかけて殺したという説

本当のところは分からないが、ともかく遊佐続光はこの時期に死んだ。

畠山義総の死から能登がおかしくなり、そして最後は遊佐続光の死によって能登に平穏がもたらされた。

これ以後の能登の歴史は非常につまらない。

能登の面白い混沌の歴史は非凡な温井紹春とそれに抗う遊佐続光という凡人の野心とプライドによって出来あがった歴史だろう。少なくとも私はそう信じる。

だからこの男達が面白い。