第4話反人間組織ズートピア
ここは20××年。人間の動物に対する遺伝子改造と特殊教育により、多くの動物が人間に近い頭脳を持ち体の機能なども大きく変わっていた。人と話したり文字を読み書きすることや簡単な計算もでき、人間で言う7〜8歳くらいの頭脳を持っていた。
しかし動物が知恵をつけたことにより人間に反発する動物たちが急増していた。頭は小学生でも力は人間よりずっと強く、また中には人間の大人並みの頭脳を持つ個体も出てきて世界各地に反人間組織ズートピアが存在していた。
そしてここ日本にもあるズートピアのグループが活動していた。
「おう、ゾウさん。作戦はどんな感じだクマ?」
薄暗い洞穴の中に大きなクマが入ってきた。背中と顔に大きな傷跡のあるそのクマは紙に何やら書き込んでいる仲間たちに話しかけた。
「やあクマさん。次のターゲットはここのお寺だゾウ」
「なんだあまりデカくねークマな。こんなとこにいる人間ぶちのめしたとこでつまらねークマ」
クマは露骨に嫌そうな顔をしながら近くの草を敷き詰めただけの寝床に寝転がる。前回の現場で暴れたりなかったことを根に持っているようだ。
「仕方ないモー、うちはあまり大きな組織じゃないモー。近場でコソコソやるのが精一杯だモー」
「それに今回は今までとは違うぴょん!場所は小さいけれど、ぶんかてき?には大きいとこみたいだぴょん」
クマは腹の上で飛び跳ねるウサギを鬱陶しそうに押しのける。
「ぶんかでこのムシャクシャをどーしろって言うんだクマ」
「それだけじゃないゾウ、ここなら人間への恐怖を倍ゾウできるんだゾウ」
ゾウさんの自信満々な発言にみんなの視線が集まる。
「このお寺の仏像は歴史的にも価値がある。このお寺に来ている人にとってはその仏像は命よりも大事と言えるゾウ」
ゾウさんの悪い顔にクマさんたちは背筋が寒くなる。
「い、一体どんな作戦だクマ?ぶっ壊すクマか?」
クマさんの顔には仏像を破壊するというかつてない大仕事に興奮と戸惑いの表情が浮かんでいた。
「ぶっ壊すと流石に罰あたりだからしないゾウ。俺たちがするのは‥‥」
「 仏像を、ぶつゾウ!! 」
その日の午後のニュースにて
「次のニュースです。先ほど○○市のズートピアが解散したそうです。最近○○市を騒がせてた彼らですがゾウさんの寒いギャグに耐えきれず、大げんかをした末の解散だそうでメンバーの一人は『モーたくさんだ』とうんざりしていたそうです。次のニュース‥‥」
ギャグ小説 短編集 タカメン @takamenn4578
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