名古屋に対する豆知識などでつい「うんうん」とひざを打ちたくなる名古屋愛に満ちた作品です。他県民にはわからないあれやこれやが書かれていて、嬉しくなってしまいますね!
名古屋LOVE! ですね!
しかし、それが迸るあまり、観光ガイドのようになってしまっているのは残念でした。名古屋民同士でそのことをわざわざ確認し合うなんてしません。するとしたら東京や大阪から遊びに来たお客さんを案内する場合でしょう。
もっと自然な会話や行動で名古屋の魅力を描けたはず!
それにタイムリープというアイデアも非常に面白いのですが、考察がまだ浅いとお見受けします。
記憶が残ったまま2000年にも匹敵する同じ日を繰り返したら人間の脳はどうなってしまうのか?
コレ、深く想像してみたらすごく怖くて面白いテーマですよ。
それにもっと突っ込んで考えてみれば、同じ一日を繰り返すというのを主人公が疑問に思う理由がありません。「そもそも人生とはそういうものだ、と受け入れてしまえば」なんら不都合がなくなります。
だって不老不死を手に入れてその未来予知も可能になっているほとんど神様状態じゃないですか?
未来に進む理由がないです。現に今も数えられないほどに繰り返して特別に不都合がないのですから。
どうしても未来に進まなければいけないのならば、タイムリープという特権を手放す、絶対的な理由が必要になるでしょう。
その動機を考えなければ、タイムリープの仕組みそのものを解析することは不可能というものでしょう(物語的に)。
とはいえ、やっぱり舞台が名古屋というだけあって、応援したくなりますね!名古屋ムードもこの作品のもうひとつの主役!
名古屋メシとSFの両方がんばって!