-6章-名古屋の民の日常は、物語の後に続く。

第53話-異能バトルは、日常系の前に。


そこは、大須のとある場所。

ガンダム好きが集まるBARに入り浸る、1人の男がいた。

店内に流れるファーストガンダムの映像を眺め、何度も見たシーンに、やはり感動する。

自分もそんな、皆の心に届く作品を作りたい。

子供ながらにそう思ったのが、彼が創作を始めたきっかけであった。



名古屋の街を舞台にした、過去に描かれたことのないようなライトノベル。

そんな内容の、いわゆるテンプレ通りの小説は、神戸 灘の予想に反して売れた。

しかし、彼は一度挫折していたのだ。

どうしても、最終話に辿り着けない。



なぜだろうか?

その答えを、彼は知っていた。


彼は見つけてしまったのだ。

体験してしまったのだ。


どんな創作よりも心躍る、異能力バトルそのものを。


願わくば、あの後散り散りになった皆ともう一度会いたい。

その後が見えずに、物語は終われないのだ。



そう考えた彼は、カクテルを飲み干し店を後にした。



どこに行けばいいだろう?

そんな事を考える事もあるが、すぐにそんな思考を棄てる。

この街をもっと好きになれば、いつかまた巡り会える気がするのだ。

なぜなら…全ての道は、名古屋に繋がっているのだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

おわりのみえないきみへ。 おいでよ名古屋@名古屋市非公式萌えキャラ @oinagoya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ