藍搗荘の住人
「最強の超能力者…、ですか」
そ〜うですよ〜、と独楽さんは前を歩きながら気の抜けた返事を返して来た。時宮さん《オカマ》との自己紹介を終えた後、少し経ってから、独楽さんと一緒に藍搗荘の食堂に向かっている途中、ここには他に住んでいる人がいるか聞いたら、最強の超能力者とゆう言葉が返ってきた。
「その最強ってゆうのは自分で言ってる痛いタイプですか、それとも自他共に認めてるタイプですか」
「自他ともに〜、とは〜言えませんね〜、その娘は〜、喋れない娘なので〜」
「そうなんですか。それで、その最強の超能力ってどんな能力なんですか?」
「ありとあらゆるものから〜愛される能力、ですよ〜」
「…それだけですか」
「それだけですよ〜。あ〜、あと〜、愛されるだけで〜愛し返す能力ではないので〜、朝夜ちゃん的には〜、残念かもしれないですね〜」
「その…それで、その最強の超能力者って名前なんてゆうんですか?」
独楽さんが説明下手だから、これ以上詳しくは聞けないだろうから、名前ぐらいは聞いておこう。
「名前は〜ですね〜、アラネアちゃんと言いましてね〜、ちょうど〜、朝夜ちゃん好みの小さい女の子ですよ〜」
「私をロリコンみたいに言わないでください」
「それと〜、あと二人ほど〜、
とゆうことは此処には、私含めて6人住んでいることになるのか。それにしても最強が女の娘なのか。
「そういえばさっき、喋れないって言ったましたが、それは病気か何かで喋れないんですか?」
「いいえ〜、アラネアちゃんはですね〜、臓器移植のドナ〜として〜、物心つく前に〜売られて〜、飼われて〜いたんですよ〜」
「……」
「けど〜臓器移植のために〜殺されちゃう前にですね〜、超能力者になってですね〜、逆に〜臓器移植を必要としている相手と〜自分を飼っていた〜人達を〜皆殺しにしたんですよ〜」
「……教育も何もされずに買われていたから喋れないんですか…」
「そうですよ〜、学園都市で保護した時〜、喋らないから〜何処から来たのか〜わからなくって〜、他に〜買われていた子達を〜保護するのに〜、だ〜いぶ時間が〜掛かっちゃったんですよ〜」
「…」
ヤベェ過去持ってる人だなぁ。臓器販売組織がまだいるってゆうのにも驚くけど、それ以上に、そいつらを皆殺しにできた愛されるだけの能力が気になってくる。愛されるだけで攻撃系じゃないと思ったたけど、バリバリの攻撃系の超能力なのかな。
「は〜い、此処ですよ〜。此処が〜食堂ですよ〜」
独楽さんが扉の前で不意に止まり、目的地についた事を教えてくれた。そこは他の扉と同じデザインの扉で、言われなければこれが食堂の扉とは気づきそうにもない。…いやなんで全部同じデザインなんだ、プレートとかも無いし、どの扉が自分の部屋に通じてるのかも分からなくなる、てゆうかもう分からなかなってる。帰りも独楽さんに連れてってもらうしかないか。
「一応〜、ご飯は〜此処で〜食べることになったますが〜、自分の部屋に〜持って帰って〜食べても大丈夫ですよ〜、どうしますか〜?」
「まぁせっかくですし、今日は食堂で食べますよ、最強の超能力者ってゆう人にも挨拶がしたいので」
「挨拶は〜するだけ無駄ですよ〜、喋れないだけじゃなくって〜言葉も〜理解できてませんから〜」
「挨拶は大事ですよ、古事記にもそう書かれてるんで。言葉が通じなくっても、新入りなんですから、ちゃんと先輩には挨拶しないと」
「そうですか〜、それでしたら〜お好きにどうぞ〜」
そう言って独楽さんはドアノブを引いて部屋の中に入っていった、私もそれに続くように部屋に入って行った。さて、最強っていうのはどんなすがたをしてるのかな。
第3話 藍搗荘の住人 終
誰も超能力を欲しがらない 仮面病 @tokinomiya777
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