白色の隣人
「うぅ、頭がいたい」
頭を押さえながらそんなことを言う、言ったところで、痛みが消えるわけじゃないけど、文字稼ぎにはなるかな。
「大丈夫ですか〜、百合ちゃん」
独楽さんが心配しながら、ひどいことを言ってくる。
「独楽さん、前にも言いましたけど、私は百合じゃありません、男性嫌いなだけです」
「知ってますよ〜、ですけど〜、私は、次騒いだら〜、百合ちゃんと呼ぶと〜、ちゃんと〜言いましたよ〜」
「そうですけど、あれはしょうがないじゃないですか、あんなの騒ぐなって言う方が無茶ですよ」
「私は〜、騒いでいませんよ〜?」
「それは僕が落ちてくるのを知ってたからでしょう」
私と独楽さんが楽しく会話している時に、部屋の奥から、見知らぬ、くねくねみたいな白い人が出てきた。
肌は病的に白く、髪の毛はシルクのように滑らかな白色で、腰にまで伸びていて、髪の一部分を黒いリボンで止めている。目の色だけは白色ではなく、淡い青色をした、宝石のような目で、見ているだけで心が安らぐ気がした。服は聖職者が着るような白色のローブを着ていて、身長は私より大きく180ぐらいはありそうに見えた。
「朝夜ちゃん、はい氷、ごめんね怪我させちゃって」
「あ、いえ、大丈夫です、ありがとうございます」
私はくねくねさんから、氷を受け取り、頭に押し当てた。あー、気持ちい。とゆうか、今この人、怪我をさせてとか行ってなかった?
「そういえば、自己紹介がまだだったね、僕の名前は、
「えっと、よろしくお願いします」
頭を下げながら、くねくねさん改め、時宮さんの言っていた、怪我をさせての部分に、嫌な予感を感じる。いやまさかね、まさかこんな綺麗な人が、こんな人に限って有り得ない、絶対にないとは、思うけど、まぁ、念のために、ほんと、そんな事はないだろうけど、一応聞いてみよう。
「えっと、時宮さん、大変失礼な事を聞くのですが、本当に失礼すぎる事なので、先に謝っておくんですけど、時宮さんて、女性の方ですよね」
「違うよ、僕はこんな風貌だけど、男だよ」
「死ねぇい!」
「ちょ、危な!えっなに、僕なにか悪いことでも言った」
「うるさい、このオカマくねくね!!」
「オカマくねくね?」
私の攻撃を紙一重で躱したオカマに対して、睨みを効かせた。
「なんでよ、なんで私の人生にはこんな人しか現れないの、こんな綺麗な顔をした人に限って、実は男でしたってゆう奴しかいないのよ!!滅茶苦茶好みの見た目をしてるのに、こんな綺麗な人と一つ屋根の下で暮らせれるなんて幸せ、なんて思ってたのに、To LOVEる並のエロイベントを期待してたのに、なんで、なんで男なのよ‼︎」
「えっと…、よくわからないけど、嫌われてるのかな、僕」
「朝夜ちゃん、うるさいですよ〜」
「期待してたのに、ようやく私も主人公補正に目覚めて、女の子だらけのハーレムを作れると思ってたのに、あんだの所為でだいなしよ!」
「それって僕関係なくない?」
「朝夜ちゃん、少し〜、うるさいですよ〜」
「うるさい!私は此処で女の子だらけのハーレムを作る予定だったのよ!」
「ハーレムって普通男の子が目指すものじゃなかったっけ?」
「朝夜ちゃ〜ん…」
「知らないの、最近のハーレム物は主人公の妹が中心になってたり、犬を中心にしたものだってある、だから、私を中心にした、女の子だけのハーレムだって作れるはずなの!」
「最後のは願望だね」
「……」
「うるさい!もういい、此処で貴方を殺して私が男に惚れかけた事をなかった事にしてや…」
「え〜い」
「ごふぁ!?」
そんな事を言っていると、後頭部に小町さんがいつも持っている和傘の柄の部分で殴られ、そのまま地面に倒れこんだ。
「うるさいですよ〜、百合ちゃん、いい加減にしないと〜、殴りますよ〜」
「いや、殴った後にそんな事を言っても…、それより、だいじょうぶ、朝夜ちゃん」
「大丈夫ですよ〜、頑丈なところだけが〜、取り柄みたいな娘ですから〜、そんなことよりも〜、時宮さん、そろそろ〜、ご飯を〜作る時間じゃないですか〜」
「寮母さんがゆうなら大丈夫かな、それじゃあ、僕はご飯を作ってきますね」
そういって時宮さんは部屋から出て行った、いや、もうちょっと心配してくれてもいいんじよない?そんなあっさりと見捨てていくのはどうかと思いますよ?
「それじゃ〜、百合ちゃん、ご飯ができたら呼び行きますから〜、それまで〜、そのままの〜姿勢で〜、反省しててくださいね〜」
そういって独楽さんは、潰したゴキブリを見るような目をして部屋を出て行って部屋にはゴキブリが一人床にへばりついているだけだった。
「うぅ、痛い」
時宮さんから貰った氷を独楽さんから殴られた場所に当てて冷やしていく。とゆうか今回も超能力出てこなかったね。
第2話 白色の隣人 終
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