Q.最初の読者は作者でいいんですか?
A.いいえ、違います。
どういうことでしょうか? どう考えても最初の読者は作者のような気がします。自分でもこれからいうことはあまりに屁理屈過ぎて笑ってしまいます(笑)
なぜなら、作者は読者になった瞬間読者だからです。
説明します。みなさんは日々ラノベに触れていて、1人称小説が多いと感じませんか? あの現象はつまるところこうです。作者は自らの意思を1人称の語り手の人物に託し、書いている間は確かに作者であり作家であり書き手ですが、その文字を綴り終えた瞬間その文字はその登場人物の言葉となるのです。なので、作者は書き終えた後にその本を読む。するとその時には一端の読者になっているわけです。
これのなにがいいのかというと、作者が同時に読者である以上、自分が(自分と同じような環境にいる他者が)よみたいシナリオ、キャラを書くようになるということですなるということです。
少し飛躍しすぎたので補足をすると、ラノベ作家はラノベ作家になりたくてそうなった人が多いです。つまり、元々ラノベの読者だったわけです。そして作家になる。すると、最初はただ読みたいキャラ(=売れるようなキャラ)を書いているわけです。売れるようなキャラとかいたのは、ラノベ読者と感覚を共有しているから、という意味です。
しかし、ある程度の量を書けるという時点ですでに能力があります。するとちょっとこなれてくると、作家読みをする読者を中心に環境の変更を試みるようになるわけです。すると、今までの萌えとは違う萌えに読者がコントロールされるようになります。その作家の書く世界が好きで読んでいる内に、その作家に(またはその作家の担当に)コントロールされてしまうということです。
なにが問題かは明らかです。ラノベの作家が読者と同列であるということは、その共有されている環境を徐々に変えることで読者がコントロールされる可能性があるということです。
ライトノベル批評事始 @ninnzinn
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