第50話 天の岩戸

 アメノウズメの滑稽こっけいな踊りに、神々は大笑い、やんやと歓声を上げました。岩戸の中のアマテラスは、心中穏やかではありません。

「私がここに隠れているというのに、何故あんなに楽しそうなのか」

 気になって仕方のないアマテラスは、とうとう我慢できなくなり、岩戸をほんの少し開け、外を覗きました。そのときです。インコが岩戸の隙間にくちばしを突っ込んだのです。そしてグリグリグリッと捻じ込みます。

「ああっ、嘴が割れる、嘴が割れるから!」

 岩戸を開けようとするインコの様子が、あまりにも必死だったので、アマテラスはやむなく岩戸を開けたそうです。

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インコ昔話 柚緒駆 @yuzuo

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